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エフフォーリアのダービーは「不安がないわけではありません。でも…」(鹿戸師) “体質が弱かった”馬が“無敗皐月賞馬”になるまで
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![平松さとし](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/a/c/-/img_ac03fd98d938cbb8c4b66afe02c3237210390.jpg)
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2021/04/21 06:00
![エフフォーリアのダービーは「不安がないわけではありません。でも…」(鹿戸師) “体質が弱かった”馬が“無敗皐月賞馬”になるまで<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/4/4/700/img_44e76f2d3b5928edfafa4aec2452fc46150504.jpg)
エフフォーリアは皐月賞で危なげないレース運びを見せ、無敗のままクラシック第一戦を制した
「武史は『強いです!!』って連発していましたね」
その桜花賞から1週間後、鹿戸はついに念願のクラシックの栄冠を掌中に収めた。そしてそれは手綱を取った横山武史にとっても初めてとなるGI制覇となった。
「武史は凄く喜んでいました。ゆっくり会話をする時間はなかったけど『強いです!!』って連発していましたね」
日本ダービーも「油断は出来ません」
一旦、ノーザンファーム天栄に放牧した後、次なる目標は当然“日本ダービー”だと言う。距離が延びて2400メートル。地力の求められる東京競馬場が舞台となる。
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「折り合いに全く不安のないタイプだし、血統的にも距離延長は問題ないと思います。ただ、別路線からの違う相手も出てくるだろうし、皐月賞後に変わり身を見せる馬もいると思うので、油断は出来ません。そういう気持ちで改めて仕上げていきます」
皐月賞後も考えていたほどの疲れは見せず、翌日の月曜の夜には、早くも飼い葉を全てペロリと平らげたと言う。最後に改めて不安材料がないのかと尋ねると、新クラシックトレーナーは次のように答えた。
「道中の不利とか、不安がないわけではありません。でも、そのあたりは考え出したらキリがないので、まずはエフフォーリア自身の体調を万全にして行く事だけに全力を注ぎます」
そして、ぼそりと呟くようにひと言、付け加えた。
「その体調管理というのが難しいのですけどね……」
勝って兜の緒を締める姿勢を感じさせるそのひと言に、無敗の2冠馬誕生のシーンが見えた気がした。今年の日本ダービーは5月30日。鹿戸の59回目の誕生日から丁度1週間後だ。エフフォーリアが最高のバースデープレゼントを届けてくれるか。期待したい。
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