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高校生キャッチャーの投げ方「力が入りすぎ」問題…なぜ捕手の肩&ヒジ“隠れ故障”が多いのか【春の甲子園】

posted2021/04/08 17:05

 
高校生キャッチャーの投げ方「力が入りすぎ」問題…なぜ捕手の肩&ヒジ“隠れ故障”が多いのか【春の甲子園】<Number Web> photograph by Jiji Press

マウンドで話す市立和歌山の小園健太投手(左)と松川虎生捕手。筆者は松川の投球フォームにも注目した

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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 この40年ぐらいで「投手」の実力トップレベルと思われる「2021センバツ」で、コンビを組む「捕手」にも優秀な人材が多かった。

 特に「強肩捕手」が多く出場しているという報道に触れた。

 巷では、福岡大大濠・川上陸斗(3年・175cm76kg・右投左打)下関国際・守優雅(3年・178cm78kg・右投右打)健大高崎・綱川真之佑(3年・180cm80kg・右投右打)京都国際・中川勇斗(3年・172cm72kg・右投右打)神戸国際大付・西川侑志(3年・176cm80kg・右投右打)らの名前が挙げられているようだが、確かに地肩の強さはみとめられる一方で、「捕手」を経験した者として、大丈夫かな……とちょっと心配になることもある。

多くの捕手が肩・ヒジに故障を抱える

 選手たちが、肩から腕にかけて、ものすごく力の入る投げ方をしていることだ。

 強肩に自信があればあるほど、「見せつけてやる!」と過剰に力が入ってしまうのはよくわかる。投手の投球練習の最後で、矢のような二塁送球をきめておけば、それが相手チームの盗塁意欲を消すことにつながりうるからだ。

 心配なのは、その強く投げようとし過ぎる動作が「クセ」になってしまうこと。あのテンションで二塁送球を続けたら、肩・ヒジが1年持たなくなってしまうのではないか。

 投手が肩を痛めた……という情報はあっという間に広がる。一方、あまり知られていないだけで、毎年とても多くの捕手が肩・ヒジに故障を発生させている、という現実がある。

 捕手は辛抱強いヤツが多く、ちょっとぐらい痛くても……とついつい我慢してしまう。周囲も、投手ほどは気にしてくれないから、医者に診せる頃には後戻りできないほど重症になっていることも少なくない。

捕手の二塁投球は「100点」か「0点」か

 エイヤー!で投げるスローイングが心配なもう1つの理由は、送球のコースがブレやすいことだ。

 このセンバツでも、エイヤー系の送球が“矢のような”勢いを誇りながら、二塁ベースの左右上下に暴れてしまう場面を何度も見ている。

【次ページ】 捕手の二塁投球は「100点」か「0点」か

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