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【箱根駅伝、新勢力図】高校生トップ5は「どの大学」へ? 高校記録保持者、「非の打ち所がない」大迫傑の後輩…
posted2021/03/08 11:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
JIJI PRESS
4月には、多くの優秀な高校生ランナーが大学に進学する。
昨年は、コロナ禍の影響で監督や選手への挨拶が難しくなり、インターハイを始め各大会が中止になるなどスカウティング活動がままならない状態だった。それでも、各大学の進学予定者を見てみると来年の箱根駅伝で活躍が期待できる選手は多い。
高校生の基準は、5000mのタイムになる。今春卒業する高校生ランナーのトップ5(5000mの記録順、留学生は除く)はどの大学を選んだのか?
ここでは、その進路を紹介するとともに、2年生以上も含めた各大学の新しい“勢力図”を検討したい。
※(学校名・5000mのタイム)
高校ランナー4位・徳丸寛太は「東海大学」へ
徳丸寛太(鹿児島実業・13分48秒59)は東海大に進学予定だ。昨年の10月に長崎ナイター5000mで13分台の記録を出し、都大路では1区4位という好成績。長い手足を活かしたバネのある走りで、東海大のエース候補としても期待できる。
他にも都大路に出走して東海大を選択した選手は多い。1区6位の梶谷優斗(滋賀学園・14分05秒38)、1区20位の竹中博駿(高岡向陵・14分27秒80)、1区45位の小出橘平(高知中央・14分37秒20)、3区6位の越陽汰(佐久長聖・13分53秒77)、7区11位の八澤輝人(須磨学園・14分37秒83)の4名が入学予定だ。
13分台は、徳丸と越の2名だが、梶谷は全国高等学校陸上競技大会2020の5000mで3位と結果も出し、竹中とともに駅伝に強いタイプ。早い段階で上位グループに入ってきそうだ。小出は体格が良く、腰高でバネのある走りが特徴。また、1年の時に北関東5000m決勝で唯一1年生として出走し7位、茨城県高校予選では1区区間新の走りを見せた。現在14分フラットのタイムを持つ五十嵐喬信(水戸工業)、さらに長い距離が得意な吉田響(東海大翔洋・14分19秒52)、水野龍志(小林・14分08秒01)、負けん気が強く気持ちで走るタイプの藤井利哉(西脇工業・14分29秒48)など、従来のスピード型よりもむしろロードに強い選手のスカウティングにシフトした結果がどうレースに出るか、非常に楽しみだ。
優勝への鍵は「新入生をどれだけ育成できるか」
東海大は、塩澤稀夕、名取燎太、西田壮志の3本柱が卒業。3年時から主力として欠かせない戦力になっていただけに、黄金世代が卒業した時よりも実質的な損失が大きい。
箱根奪回を目指すには、名取のように両角再生工場で松崎咲人(2年)が復活を果たし、中間層の選手のレベルアップが欠かせない。その上で、新4年生の本間敬大主将を軸に長田駿佑ら上級生がどれだけ引っ張っていけるか、新入生をどれだけ育成できるかも重要なポイントになってくるだろう。