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【箱根駅伝、新勢力図】高校生トップ5は「どの大学」へ? 高校記録保持者、「非の打ち所がない」大迫傑の後輩…
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2021/03/08 11:00
優秀な高校生ランナーたちはどの大学へ進むのか?
高校ランナー3位・鶴川正也(九州学院)は「青山学院大学」へ
鶴川正也(九州学院・13分45秒28)は、青学大への進学が予定されている。
都大路では洛南、浜松商業との競り合いからラストで持ち前のスピードを見せて1区区間賞を獲得。青学大は、昨年、1区日本人選手の区間最高記録(28分48秒)を出した佐藤一世(八千代松陰)につづいて、スピードと駅伝力のある選手を獲得したことになった。
同じく1区3位の若林宏樹(洛南・13分58秒77)、1区8位の喜多村慧(須磨学園・14分13秒55)、1区10位の太田蒼生(大牟田・13分55秒74)、1区13位の田中悠登(敦賀気比・14分07秒10)ら都大路出走メンバー選手が入学予定。特に、若林は京都陸協記録会で13分台のPBを出し、段違いのスピードで圧巻のレースを見せる“本番に強い”選手。脚に地力があり、山の下り区間も走れそうで、同じ京都洛南高校の先輩でスーパールーキーとして注目された三浦龍司(順天堂大学)につづく活躍を見せてくれそうだ。
高校ランナー5位・野村昭夢も青学大へ進学
鶴川と同じく5000m13分台の鹿児島城西・野村昭夢(13分48秒83)も青学大へ進学予定。野村は鹿児島高校駅伝大会の1区で鹿児島実業の徳丸寛太と争い、惜しくも2位になったが、2020年5000mの高校生ランキングでは5位の逸材だ。
さらに宮城県高校生駅伝の1区で仙台育英の吉居駿恭と競った白石光星(東北・14分12秒04)、2年時から愛知県高校駅伝で活躍した片山宗哉(愛知・14分28秒40)らが入学予定になっている。
ずらりと並ぶ1区のエースと高校生トップランナーたち。青学大のスカウティングは例年以上に素晴らしく、質の高い選手を獲得することに成功している。今春、神林勇太、吉田圭太のダブルエースに加え、岩見秀哉が卒業することを見据えてのスカウティングなのかもしれない。
ただ、新入生以外の選手層は相変わらず分厚い。エースの岸本大紀(2年)、箱根7区3位の近藤幸太郎(2年)、10区4位の中倉啓敦(2年)に加え、駅伝力のある4区4位の佐藤一世らがいる。上級生は一時伸び悩んだ時期もあるが、9区2位の飯田貴之(3年)、6区3位の高橋勇輝(3年)は箱根で結果を出した。新主将の飯田と在学生とともに、新入生の鶴川、若林、野村らが1年目からもちろん、2年、3年とさらに力をつけ、成長していけば、2度目の黄金期を迎えそうな勢いを感じる。