酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
田口麗斗⇔廣岡大志、活躍するのはどっち? 過去の大型トレードを振り返ると…【張本・落合・秋山・糸井・大田】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph bySankei Shimbun
posted2021/03/04 11:03
お互いの健闘を称えてグータッチする田口麗斗と廣岡大志。巨人とヤクルトの有望株とされていた2人の電撃トレードは、どんな結果をもたらすか
落合のトレード相手は牛島、あと3人は?
〇1986年オフ ロッテ・落合博満33歳⇔中日・上川誠二26歳、牛島和彦25歳、平沼定晴21歳、桑田茂26歳
落合博満(中日/7年)913安打210本塁打625打点 打率.307
上川誠二(ロッテ/7年)375安打29本塁打136打点 打率.271
牛島和彦(ロッテ/7年)20勝25敗49SV 361.1回 防御率3.49
平沼定晴(ロッテ/9年)17勝19敗5SV 498.2回 防御率4.44
桑田茂(ロッテ/2年)0勝0敗0SV 5.2回 防御率6.35
ロッテは3度目の三冠王を獲得した落合の放出を決定、中日は正二塁手の上川、抑えのエース牛島など4選手とのトレードで落合を獲得した。
落合は在籍7年間で本塁打王2回、打点王2回を獲得するなど大活躍。ただしトレード相手の上川も内野手として存在感を放ち、牛島も2年連続最多セーブを獲得した。ロッテにとって決して損なトレードとは言えなかった。
FA制度施行後の大型トレードと言えばこの3例
1993年にFA(フリーエージェント)制度が導入されてから「大型トレード」は減少していく。大物選手はFAで意中の球団に移籍するのが普通になり、球団の意向で移籍させられることは少なくなった。
FA制施行後の大型トレードとしては以下の3例を挙げておこう。
〇1993年オフ 西武・秋山幸二31歳、渡辺智男26歳、内山智之25歳⇔ダイエー・佐々木誠28歳、村田勝喜24歳、橋本武広29歳
秋山幸二(ダイエー/9年)933安打109本塁打454打点 打率.265
渡辺智男(ダイエー/4年)4勝15敗0SV 169.2回 防御率4.99
内山智之(ダイエー/4年)12勝16敗0SV 262.1回 防御率4.87
佐々木誠(西武/5年)557安打60本塁打257打点 打率.275
村田勝喜(西武/2年)4勝5敗0SV 119回 防御率4.76
橋本武広(西武/9年)9勝12敗19SV 300回 防御率2.80
清原和博と「AK砲」を組みパの最強打者と言われた秋山と、南海時代からの名リードオフマンだった佐々木を軸とした大型トレードだった。
秋山はダイエー移籍後、成績こそ下落したがチームリーダーとして意識改革に貢献し、引退後は監督も務めた。佐々木もベストナイン3回の活躍を見せている。
他の選手はどうか。ダイエーの村田は3年連続2ケタ勝利だったが、西武では全く振るわず。橋本はセットアッパーとして西武で長く活躍した。西武の渡辺も先発投手として実績があったが、ダイエー移籍後は不振だった。内山は先発投手として移籍1年目に6勝を挙げた。