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田口麗斗⇔廣岡大志、活躍するのはどっち? 過去の大型トレードを振り返ると…【張本・落合・秋山・糸井・大田】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph bySankei Shimbun
posted2021/03/04 11:03
お互いの健闘を称えてグータッチする田口麗斗と廣岡大志。巨人とヤクルトの有望株とされていた2人の電撃トレードは、どんな結果をもたらすか
糸井らのオリックス移籍、その相手は……
〇2013年1月 日本ハム・糸井嘉男31歳、八木智哉29歳⇔オリックス・木佐貫洋32歳、大引啓次28歳、赤田将吾32歳
糸井嘉男(オリックス/4年)613安打70本塁打280打点 打率.300
八木智哉(オリックス/2年)0勝2敗0SV 0HD 14.2回 防御率7.98
木佐貫洋(日本ハム/3年)10勝11敗0SV 0HD 172回 防御率3.56
大引啓次(日本ハム/2年)213安打8本塁打79打点 打率.255
赤田将吾(日本ハム/2年)42安打2本塁打13打点 打率.269
キャンプイン直前の1月23日に発表された大型トレード。前年から契約交渉が難航していた糸井嘉男の移籍が軸で、比較的年齢が高い選手同士のトレードだった。
糸井はオリックスで首位打者、盗塁王を獲得。文句なしの成績で4年目のオフにFAで阪神に移籍した。
オリックスの正遊撃手だった大引は日本ハムでもレギュラーだったが、2年でヤクルトに移籍。赤田は控え外野手として2年プレーして引退した。
日本ハムの八木、オリックスの木佐貫はともに新人王を経験した投手だったが、移籍先ではあまり活躍できなかった。
日本ハムは大田泰示らの獲得で“大儲け”
〇2016年オフ 巨人・大田泰示26歳、公文克彦24歳⇔日本ハム・吉川光夫28歳、石川慎吾23歳
大田泰示(日本ハム/4年)501安打63本塁打250打点 打率.275
公文克彦(日本ハム/4年)7勝2敗2SV 39HD 172回 防御率3.66
吉川光夫(巨人/3年)7勝11敗0SV 3HD 146回 防御率4.93
石川慎吾(巨人/4年)91安打11本塁打37打点 打率.241
このトレードは圧倒的に巨人が有利だと見られていた。ドラフト1位ながら伸び悩みの野手・大田と一軍実績が乏しい投手・公文を出して、MVPまで取った先発投手の吉川と若手野手の石川を獲得したからだ。
しかしふたを開けてみると、日本ハムの大儲けになった。大田は堅実な守備とシュアな打撃で中軸打者となり、公文は一時期「勝利の方程式」を担うセットアッパーになった。
巨人に移籍した吉川は2年半で日本ハムに復帰するも今オフに金銭トレードで西武に移籍。石川は代打で活躍しているが、大田には遠く及ばない。
トレードはやってみないとわからない。だから面白いとも言えるのだ。
実は最後に紹介した2016年オフのトレードは、「元エース級左腕投手⇔伸び悩んでいる大型野手のトレード」という点で、今回の田口と廣岡のトレードに通じる部分がある。
すでにオープン戦が始まっており、廣岡は3日のヤクルト戦に出場した。新しいユニフォームに袖を通した田口と廣岡はどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか?
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。