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「すべては即興だった」動くだけで脅威たりえた規格外のストライカー、ロナウドが愛した「9番」の醍醐味 

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フレデリック・エルメル

フレデリック・エルメルFrederic Hermel

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photograph byPierre Lahalle/L’Équipe

posted2021/02/28 17:01

「すべては即興だった」動くだけで脅威たりえた規格外のストライカー、ロナウドが愛した「9番」の醍醐味<Number Web> photograph by Pierre Lahalle/L’Équipe

レアル・マドリーには5シーズン在籍。02年にはFIFA最優秀選手賞に輝く活躍を見せた

――これからデビューするストライカーにはどんなアドバイスを与えますか?

ロナウド 僕が言えるのは、選手にとっては身体が資本ということだ。だからこそ十分にケアをして、フィジカルコンディションを向上させていくようにする。また技術的なミスをなくすように努力を重ねるべきだとも言いたい。

02年W杯決勝直前の「ゴルフ遊び」の真相

――ルイス・フェリペ・スコラーリ元ブラジル代表監督によれば、あなたは2002年日韓W杯決勝の数時間前に、ホテルの廊下でゴルフ遊びをしていたということです。そんなにリラックスしていたのでしょうか?

ロナウド そもそもそれは長い話で、はじまりは98年W杯まで遡る。スタッド・ド・フランスでの決勝当日、昼食の後で僕はいつものように試合前のルーティンワークをおこなった。髪を切って昼寝をしたわけだが、チームメイトが起こしに来るまでの記憶がすっかり抜けていた。ひきつけを起こしたからで……、そう、あの有名なひきつけだ。そのときの検査や後の検査でも原因は不明だった。脳には何の障害も見当たらず、他にも何も問題はなかった(※強行出場した決勝フランス戦でロナウドは精彩を欠き、ブラジルは0−3の完敗)。

 だが、この事件は僕の心に深い傷を残した。だから4年後の日本での決勝でも、昼食後の休憩のときに思い出が鮮やかに蘇って、昼寝はしない方がいいと強く思った。同じ悪夢を繰り返したくなかったからね。

――それでどうしましたか?

ロナウド 一緒に時間をつぶせるチームメイトを探して昼寝の時間をやり過ごそうとした。でもみんな休みたがっていたし、試合に向けて集中しようとしていた。ようやく見つけたのがGKのジダだった。彼ととりとめのないおしゃべりをした後、ホテルの廊下でパターゲームをして時間を過ごしたんた。

――あなたはジネディーヌ・ジダンとも親しいですが、監督としての彼をどう思いますか?

ロナウド ジズー(ジダンの愛称)は最高の選手で、ともに練習に励み試合にも臨んだ。監督になってからはCL3連覇を成し遂げた。今、思い浮かぶのはひとつの疑問だ。選手としてのジダンと監督としてのジダンではどちらが優れているのか? 僕には答えられないね。

【前回を読む】「だから僕はやり方を変えた」怪物がゆえ膝の怪我に苦しみ続けたロナウドという衝撃【ドリームチーム選出】

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