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「すべては即興だった」動くだけで脅威たりえた規格外のストライカー、ロナウドが愛した「9番」の醍醐味
posted2021/02/28 17:01
text by
フレデリック・エルメルFrederic Hermel
photograph by
Pierre Lahalle/L’Équipe
フレデリック・エルメル記者によるロナウドインタビューの後編である。
ブラジルサッカーが攻撃的である理由と自らのプレーの本質、今日のサッカーの変化とそのなかでのストライカーの役割、さらには2002年日韓W杯決勝直前のエピソードまで。若かりし日、そのプレーで世界に衝撃を与えたロナウドが語った。(全2回の2回目/#1から続く・肩書などは掲載当時のままです)
(田村修一)
――ストライカーにはパサーが必要です。あなたにはたくさんいましたが、誰が印象に残っていますか?
ロナウド 本当にたくさんいて……全員の名前を挙げないと公平じゃないだろうな。彼らから受けた無数のパスについて、僕に不満を言う権利は何もない! クルゼイロやPSVでの経験、バルサのペップ・グアルディオラとイバン・デラペーニャ、インテルのディエゴ・シメオネとイバン・サモラーノ、ハビエル・サネッティ、レアルのジネディーヌ・ジダンとグティ、ミランのアンドレア・ピルロとクラレンス・セードルフ、それからコリンチャンスのドゥグラス……。もちろんリバウドやロナウジーニョ、ベベット、レオナルドをはじめとするセレソンのチームメイトたちも……。この機会を借りて、彼らに改めて感謝の意を表したい。
僕は左足を使うのが苦手だった
――ブラジル人選手が生来攻撃的であるのはどうしてだと思いますか?
ロナウド それは文化的なもので、ブラジルでは小さな子供のころから誰もがテクニックを磨き、技術の高さを競い合っている。だから上達の度合いも早く、中身も濃い。あらゆる基礎を学んで、プロになったときにはすべてをうまくできるようにする。実際、ブラジルでは、進歩のためにすべてのディテールを突き詰めている。
僕の例をあげれば、僕は左足を使うのが苦手だった。ある日、テレビでジーコのドキュメンタリー番組をやっていて、その中で彼は左足でうまくプレーできるように毎日何時間も壁に向かってボールを蹴っていたと語っていた。そうして日に日に進歩していったと。僕も同じことを始めて、その結果としてキャリアのなかで150点を左足で決めることができた。
――他のポジションでもプレーができたと思いますか?