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箱根駅伝は「どちらのナイキ厚底を選ぶか」が明暗を分けた? 10区で逆転、駒澤大に“ミス”がなかったワケ 

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酒井政人

酒井政人Masato Sakai

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photograph byYuki Suenaga

posted2021/01/12 11:04

箱根駅伝は「どちらのナイキ厚底を選ぶか」が明暗を分けた?  10区で逆転、駒澤大に“ミス”がなかったワケ<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

第97回箱根駅伝の1区スタート直後。ナイキのシューズばかりが目に入る

たった4年で様変わりした箱根駅伝の足元

 前回ナイキ以外で区間賞を獲ったミズノは、前回10区で区間記録を打ち立てた嶋津雄大(創価大)が4区で活躍した。区間賞には届かなかったが日本人トップの快走を見せている。理由はわからないが、すでに発売している「ウエーブデュエルNEO」シリーズではなく、前回と同じと思われる真っ白のシューズ(ウエーブデュエルNEOのプロトタイプ)を着用していたのが不思議だった。

 箱根駅伝のテレビ中継では協賛しているミズノ以外に、競合他社となるアシックスのCMが流れたことも驚いた。しかし、今大会はアシックスを履いていた選手がゼロ。これは個人的にも衝撃的だった。

 筆者が大学時代(95~98年)はアシックスとミズノが2大派閥でナイキは少数派だった。ナイキ厚底シューズが登場する前の17年大会でも出場210人のうち、アシックスが67人(31.9%)、ミズノが54人(25.7%)、アディダスが49人(23.3%)、ナイキが36人(17.1%)、ニューバランスが4人(1.9%)というデータが残っている。

 アシックスはわずか4年で首位から陥落しただけでなく、箱根路から姿を消したことになる。まるで近年の箱根駅伝の戦いを象徴しているようだった。早大、帝京大、山梨学大、専大はアシックスのユニフォームを着用している。

最速モデルを選べばよい時代は終わった

 ナイキ厚底シューズが速すぎたこともあり、昨年1月末に世界陸連からシューズに関するルール改定が発表された。同年4月30日以降は「靴底の厚さは40mmまで」に制限された。

 今大会はソールにプレート(ミズノ以外はカーボンファイバー)の入っていないシューズを履いている選手はほとんどいなかった。厚底がノーマルとなり、各社とも4年前とはまったく異なる新モデルを続々と投下している。最速モデルをただ履くだけでなく、選手は自分に合うシューズを選び、しっかりと履きこなす準備をしてから臨む時代がやってきたといえるだろう。シューズをめぐるシーズン2の戦いは始まったばかりだ。

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