箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根駅伝は「どちらのナイキ厚底を選ぶか」が明暗を分けた? 10区で逆転、駒澤大に“ミス”がなかったワケ
posted2021/01/12 11:04
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph by
Yuki Suenaga
正月の箱根駅伝は駒大が最終10区で3分19秒差を大逆転。創価大の初優勝を阻んで、13年ぶり7回目の総合優勝に輝いた。区間賞を獲得した駒大・石川拓慎(3年)は「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」を着用してヒーローになった。一方、区間最下位に沈んだ創価大・小野寺勇樹(3年)は「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」を履いていた。両者ともナイキ厚底シューズを着用していたが、明暗がわかれたことになる。
今回は往路・復路ともに向かい風に苦しめられたこともあり、前回のような記録ラッシュにはならなかった。そのためシューズはさほど注目されなかったが、その戦いは“シーズン2”に突入したと言ってもいいだろう。
そのことを理解するために、まずは前回20年大会を振り返ってみたい。出場210人中177人(81.3%)がナイキを着用。気象条件に恵まれたこともあり、10区間中7区間(2、3、4、5、6、7、10区)で区間記録が誕生した。19年大会で9人がアディダスを履いていた青学大は10人全員がナイキを着用。王座を奪還しただけでなく、大会記録も7分近く塗り替えた。
では、今回の21年大会はどうなったのか。
区間賞獲得者とシューズを見てみると
出場210人中201人が「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」(以下、ヴェイパーフライ)もしくは「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」(以下、アルファフライ)を使用。ナイキの着用率は95.7%に到達した。なお区間賞獲得者とシューズは以下の通りだ。
1区 鎌田航生(法大)アルファフライ
2区 イェゴン・ヴィンセント(東京国際大)ヴェイパーフライ
3区 石原翔太郎(東海大)アルファフライ
4区 ポール・オニエゴ(山梨学大)アルファフライ
5区 細谷翔馬(帝京大)ヴェイパーフライ
6区 花崎悠紀(駒大)アルファフライ
7区 佐伯涼(東京国際大)NBフューエルセル5280
8区 大保海士(明大)ヴェイパーフライ
9区 石津佳晃(創価大)アルファフライ
10区 石川拓慎(駒大)ヴェイパーフライ