酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
沢村賞争いをランキング化すると 大野雄大が菅野智之を猛追、3位以下も実は…
posted2020/10/19 11:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News/Kiichi Matsumoto
「今年の沢村賞は巨人・菅野智之の3回目の受賞で決まりだろ」
シーズンも最終盤に差し迫り、そろそろそんな声が聞こそうだったが、菅野が10月13日に6回自責点3で初黒星を喫して、ライバルの中日・大野雄大が翌14日に今季5度目の完封勝利を記録したことで、にわかに状況が変化してきた。
先発投手は6~7試合に1度しか登板しない。一度失敗すれば、数字が大きく変わる。菅野ファンには申し訳ないのだが、沢村賞レースは目が離せなくなってきた。
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沢村賞には数値の基準がある。
・登板試合数 (25試合以上)
・完投試合数 (10試合以上)
・勝利数 (15勝以上)
・勝率 (6割以上)
・投球回数 (200イニング以上)
・奪三振 (150個以上)
・防御率 (2.50以下)
試合数が変わり、投打のバランスも毎年変化する中で、この基準の妥当性に疑問を呈する声もある。特に今年は試合数が143試合から120試合に減っているので、この数字をそのまま当てはめることはできないが、沢村賞選考委員はこれを目安にしている。
さらにQS(Quality Start)数も選考基準としている。先発投手の最低限の責任とされ、MLBでは6回以上自責点3以下だが、沢村賞では7回以上自責点3以下となっている。
これらの各指標の現時点でのランキングを見てみよう。数字は10月18日時点。セ・パ両リーグを通じた各部門の5傑(複数人の場合は1~5位タイまで)である。