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沢村賞争いをランキング化すると 大野雄大が菅野智之を猛追、3位以下も実は…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News/Kiichi Matsumoto
posted2020/10/19 11:02
大野雄大、菅野智之、西勇輝。セ・リーグのエース級だけでもハイレベルな沢村賞争いになっている
山本由伸の図抜けた数値はもちろん……
〇勝率(6割以上) ※7勝以上の投手
1菅野智之(巨).929/13勝1敗
2東浜巨(ソ).889/8勝1敗
2和田毅(ソ).875/7勝1敗
4涌井秀章(楽).786/11勝3敗
5森下暢仁(広).727/8勝3敗
ファンの中には今年の菅野は2013年の楽天、田中将大(24勝0敗)のように、勝率10割でシーズンを終えると思っていた人も多いのではないか。そういう意味で10月13日の黒星は衝撃的だった。もちろん今でも優位は変わらないが、絶対的とまでは言えなくなった。
〇投球回数(200回以上)
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1西勇輝(神)132回
2大野雄大(中)126.2回
2菅野智之(巨)120.1回
4有原航平(日)121.2回
5山本由伸(オ)119.2回
今季、200回をクリアする投手は出ないだろう。試合数が少なくなっただけでなく、日程も詰まったことから、先発投手の負担軽減のために早めに降板することが多くなった。阪神の西がトップだが、大野、菅野、山本も今後、イニング数を増やすので大きな差ではない。
〇奪三振(150個以上)
1山本由伸(オ)139
2大野雄大(中)128
3千賀滉大(ソ)123
4菅野智之(巨)113
5森下暢仁(広)112
オリックスの山本が頭ひとつ抜けている印象だ。山本のK9(9イニング当たりの奪三振数)は10.45。両リーグの先発投手では唯一となる「10超え」となっている。
〇防御率(2.50以下)
1大野雄大(中)1.92
2菅野智之(巨)2.02
3西勇輝(神)2.05
4山本由伸(オ)2.18
5森下暢仁(広)2.21
13日の登板前まで、菅野は両リーグでただ1人防御率1点台(1.89)をキープしていた。しかし現時点では大野と大差がなくなった。また4位の山本くらいまでは、1試合好投すれば追いつく差でもある。
防御率は古典的な数値だが、今も重視されている。この数値でトップに立つ意義は大きい。