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沢村賞争いをランキング化すると 大野雄大が菅野智之を猛追、3位以下も実は…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News/Kiichi Matsumoto
posted2020/10/19 11:02
大野雄大、菅野智之、西勇輝。セ・リーグのエース級だけでもハイレベルな沢村賞争いになっている
8項目をすべてランキング化すると
〇QS(7イニング以上投げて自責点3以下)
1菅野智之(巨)12
1山本由伸(オ)12
3西勇輝(神)11
3大野雄大(中)11
5有原航平(日)10
10月13日のソフトバンク戦で、オリックスの山本は31イニング連続無失点が途切れ、敗戦投手になったが8回自責点1、QSを12にして菅野と並んだ。
以上の8項目について、1位を5点、2位を4点、3位を3点……とポイントを付けていくと以下のようなランクになった(※編集注:Number Web以外の外部サイトでご覧の方は、記事末尾の関連記事「【写真&表】沢村賞ランキング&若き日の菅野、大野、西らの熱投はこちら!」よりご確認ください)。
もしセ・パで分けて選ぶとするなら
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沢村賞の指標すべてでポイントを稼いでいる菅野がトップだ。
巨人のセ・リーグ優勝は動かないところだから、その「印象度」も含めて菅野の優位は動かないが、2018年のように菅野が圧倒的とまでは言えない。イニング数、完投数など「量」の数字では中日の大野雄大が菅野を上回っている。
これに次いで大野が7つの指標でポイントを稼ぎ、またとりわけ目立つ活躍というわけではないものの、阪神の西勇輝も6つの指標で上位につけている。大野、西ともに調子は上向きだ。
もしサイ・ヤング賞のように、セ・パ両リーグで沢村賞を選ぶとすれば――パ・リーグではオリックスの山本由伸と楽天の涌井秀章の争いになろう。当初は涌井が優位だったが、終盤にかけて山本が追い抜いた感がある。