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ゴルファー、大工、焼き鳥屋…ガンバ大阪の“消えた天才”礒貝洋光51歳はいま何をしているのか? 

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栗原正夫

栗原正夫Masao Kurihara

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/10/10 17:00

ゴルファー、大工、焼き鳥屋…ガンバ大阪の“消えた天才”礒貝洋光51歳はいま何をしているのか?<Number Web> photograph by J.LEAGUE

ガンバ大阪の中心選手として活躍した礒貝洋光。51歳になったいま何をしているのか?

「周りは僕のことを天才とか言ってくれたけど、それは少年の頃だけ。別に悲運だとかも思っていない。みなさんの期待を裏切ってしまったかもしれないけど、サッカー人生に悔いはない。長い人生でみれば、サッカーは遊びだから。何ていうか恋愛にしてもサッカーにしても役に入りきれないというか、熱くなれない性格だった。

 もちろん、サッカーをやっていたから、いまこうして取材を受けているし、そこでできた仲間といまもつながっているわけで、そこに救われている部分はある。ただ、人生は明日しかないし。それなら楽しく笑って生きた方がいいじゃん」

現役時代の後悔があるとすれば……

 礒貝は東海大2年のときに休学し、約半年間スペインのバルセロナに留学している。その後は帰国し、92年から98年の引退までJリーグでプレーした。

 現役時代の後悔があるとすれば、それはサッカーの本場ブラジルに行かなかったことだという。

「若い頃にブラジルに行っていたらどうなっていたかという思いはある。そこで、鼻でもへし折られていたら、その後のキャリアも変わったかもしれない。まあ、楽しくてサッカーを忘れて、ただの陽気な‟ブラジル人”になっていた可能性もあるけど。

 あと、僕は酒もタバコもやらなかったけど、酒を飲んでタバコを吸っていれば、肺が鍛えられてもっと走れたかもなんて思うことはある。だって、ドーピングがなんでいけないかと言えば、ある意味で体に刺激を与えて運動能力を高めるからでしょ(苦笑)」

51歳になって、サッカーは「嫌い」だけど……

 51歳になったいま、サッカーが好きかと聞けば、「嫌い」と間髪入れずに返ってきた。

「そりゃ走れたら、楽しいけど。もうボールも蹴れないし、いるだけ邪魔でしょ。一生懸命やって筋肉が切れたり、心臓が止まりでもしたら大変だから」

 それでも知り合いが教えている少年サッカーチームでコーチとしてたまに顔を出す。心がけているのは子どもの“メモリー“にメッセージを残すことだという。

「常勤のコーチがいるので、求められたときにアドバイスをするくらい。でも、人に教えるのは本当に難しい。見て、何かを気づかせてあげるようなことができればいいけど、いざやってみるとこっちが学ぶことばかり」

 サッカーは「嫌い」になったと言いつつも、試合のテレビ中継はいまもチェックしているという。コーチとして中途半端なアドバイスをするつもりはない。

 照れ隠しなのか、ときに褒められないようなことを口に出すこともあるが、礒貝の心のなかには、いまもサッカー人としての血が流れているのだろう。

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