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ゴルファー、大工、焼き鳥屋…ガンバ大阪の“消えた天才”礒貝洋光51歳はいま何をしているのか?
posted2020/10/10 17:00
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
J.LEAGUE
「世の中はコロナでいまも大変かもしれないけど、個人的にはそこまで影響は受けていないかも……。これまでもそうでしたが、東京と大阪を行ったり来たりしながら、ぷらっとしていますよ(笑)」
Jリーグ創成期のガンバ大阪で中心選手として活躍した礒貝洋光は、自身の近況についてそう話す。
高校サッカーの名門・帝京高では1年生からエースナンバー10を背負い、東海大在籍時から日本代表に名を連ねた。現役時代は正確無比なキックと一撃必殺のスルーパスを武器に“天才”と評された男も、ことしで51歳となった。
「家くらい建てられたほうがいいでしょ」
98年に29歳でプロサッカー選手を引退後はプロゴルファーに転身したことでも話題を呼んだが、長くは続かなかった。近年は週刊誌やテレビのバラエティ番組で、大工や塗装業、ときには焼き鳥屋の手伝いなど様々な仕事に就いている様子が紹介されたこともあった。
「最近は台風も多いし、何かあったら家くらい建てられたほうがいいでしょ。ペンキは、暇な時間に手伝ったり。焼き鳥は、捌けるようになったら本物だけど、準備されたものを電気で焼くだけだから(笑)。サッカーはたまに小学生のチームを見る程度で、最近は再生医療や遺伝子検査をスポーツに取り入れる研究にも協力させてもらったり。どれもアシスタント的な仕事だけど、いろんな分野の人と話ができるのは面白い」
屋根に上りクギ打ちをし、板場で焼き鳥を焼いているかと思えば、あるクリニックでは現役時代にケガに悩んだ経験を若いアスリートに伝えて役立ててもらいたいとイベントにも臨む。知人宅を転々とし、自らハンドルを握り車で東京と大阪を行き来しながら“自由人”を満喫している。
130キロだったが…40キロのダイエットに成功
都内で取材に応じてくれたこの日は、いまは趣味となった知人とのゴルフ帰りだった。誰も真似できないという意味では、そんな人生も、かつて独創性に溢れるプレーでサッカーファンを魅了した礒貝らしいのかもしれない。