水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
岡崎慎司の決定力を水沼貴史が分析。
“的”の大きさ、吸収力の原点は……。
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byGetty Images
posted2020/07/23 11:30
誰もが幸せになる岡崎慎司の笑顔。日本サッカー史に残るストライカーであり、ムードメーカーである。
vs.セルヒオ・ラモス、乾が楽しみ。
日本代表やブンデスリーガ、プレミアリーグとさまざまな環境に対応し、吸収してきた。それによってゴールへ直結する動きだけでなく、バイタルエリアでのスルーパスの受け方や狭いところでのボール捌きもびっくりするほど成長しましたよね。代表戦で見せたテクニックに何度も驚かされました。
ゴールへの嗅覚、ゴールへ流し込む感覚は天性のものがあるかもしれません。ですが、それだけを追い求めていただけでは、これほどの数字を残せなかったかもしれません。
34歳。今季のプレーぶりを見ても、まだまだ体力的に衰えていません。来季はレアル・マドリーやバルセロナといったビッグクラブとの対決も控えます。
同じ1986年生まれ(早生まれ)のセルヒオ・ラモスなんかは激しく体をぶつけてきますから、岡崎がその前に体を入れてラモスを置き去りにする……そんなプレーが見られたらいいですね。ウエスカがマドリー相手に深く攻め込むサッカーができるかどうかはわかりませんが(笑)。また、仲良しの乾(貴士)との対戦も本人は楽しみにしているでしょうね。
シーズンの入り方は特に大事。
リーガ1部はウエスカにとっても再挑戦になる(※2018-19シーズンに昇格も1年で降格)と思います。来季になれば補強も進み、岡崎の立ち位置にも変化があるかもしれません。
だからこそ、シーズンの入り方は特に大事。来季はオフが短く、コンディション維持がとても難しい1年になるはずです。キャンプやプレシーズンが例年のように行えるかさえもわからないですから、しっかり心と体を整えて準備してほしいですね。
代表復帰? 代表活動が再開したら、大迫勇也らとボジション争いする可能性はあるでしょう。それこそリーガで2桁ゴールを奪えたら、ポイチ(森保一監督)だってほっとかないはずです。
ホアキン(38歳/ベティス)サンティ・カソルラ(35歳/ビジャレアル)ら、リーガではベテラン勢の活躍が目立っています。岡崎にはぜひ、34歳のオールドルーキーとして暴れまわってほしいです。
(構成/谷川良介)