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内田篤人と長友佑都の「到達点」。
CL8強の日本人対決を誰が超えるか。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2020/04/13 18:00
内田篤人と長友佑都。敵同士ではあっても、この時2人の間にはある種の連帯感が確かに存在したのだろう。
レギュラー格では、いまだに内田のベスト4が最高。
その後も多くの日本人選手が、CLの舞台に立っている。香川真司はボルシア・ドルトムントとマンチェスター・ユナイテッドの選手として、日本人最多の出場数を記録している。岡崎慎司、柿谷曜一朗、清武弘嗣、宮市亮らも、CLの本選出場を果たした。長友はガラタサライ(トルコ)の選手としても出場している。ゴールスコアラーも7人を数える。
それでは、日本人選手の成績は?
'11-'12シーズンにバイエルン・ミュンヘンへ期限付き移籍した宇佐美貴史が、決勝でメンバー入りした。しかし、試合には出場することなく終わっている。
この一戦に限らずシーズンを通して、彼はほとんどの時間をタッチラインの外側で過ごした。CLで決勝まで勝ち上がるクラブでポジションをつかむのがどれほど困難なのかを、当時20歳になったばかりの宇佐美の境遇が表わしていたと言える。レギュラーとして稼働した選手では、’10-’11シーズンの内田のベスト4が依然として最高なのである。
今季は、誰もグループを突破できなかった。
'19-'20シーズンは、長友、伊東純也、南野拓実、奥川雅也の4選手がCLのピッチに立った。彼らの所属クラブは、いずれもグループステージを突破できなかった。
日本人選手がCLに出ることは、もはや驚きではない。得点やアシストも重大なニュースではない。その一方で、4大リーグと呼ばれるイングランド、スペイン、ドイツ、イタリアのビッグクラブに属する選手は少数だ。それゆえに、グループステージよりさらに高いレベルの経験が、日本人選手の間に広がっていかないのである。
期待を抱かせるのは南野だろう。1月に移籍したリバプールは、紛れもないビッグクラブである。今シーズンのCLはベスト16に終わったが、新シーズン以降もCLはクラブのターゲットだ。イングランド屈指の名門とともに、日本人選手がまだ見ぬ高みに到達してもらいたいものだ。