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内田篤人と長友佑都の「到達点」。
CL8強の日本人対決を誰が超えるか。
posted2020/04/13 18:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
あれからもう、9年が経つ。
2011年4月13日、'11-'12シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝セカンドレグが行われた。日本時間では14日の早朝にキックオフされたシャルケ対インテル・ミラノの一戦で、内田篤人と長友佑都の日本人対決が先発で実現した。
チャンピオンズリーグのピッチに日本人が立つのは、すでに珍しいことではなかった。2001年9月にアーセナル移籍1年目の稲本潤一が日本人初出場を果たし、小野伸二もフェイエノールト(オランダ)の一員としてそれに続いた。日韓W杯直後の'02-'03シーズンには鈴木隆行がヘンク(ベルギー)も出場した。
CLの歴史に鮮烈な足跡を残した選手もいる。セルティック在籍時の中村俊輔だ。マンチェスター・ユナイテッドを相手に決めた2本の直接FKは、時代と国境を超えてリスペクトされている。
2010年には、本田圭佑がCLに登場する。CSKAモスクワに移籍したばかりの23歳は、セビージャとの決勝トーナメント1回戦セカンドレグで直接FKを叩き込んだ。CSKAは1試合合計3-2で勝利し、本田は日本人初のCL8強入りを果たした。
CLとはステータスである。
欧州ナンバー1クラブを決めるこのコンペティションは、南米やアフリカの選手をも吸収した巨大でハイレベルな戦いとして、その価値を揺るぎないものとしている。世界のトップクラスの選手がしのぎを削り合い、個々の経験値と技術、それに個人戦術や心身のタフネスさを高めていく。
代表チームの強化にも、密接にリンクする。CLに常時出場できるクラブに、それも上位進出が望めるクラブにより多くの選手を送り込むことができれば、選手たちは日常的に鍛えられていく。
2011年4月13日に実現した先発での日本人対決は、それだけに価値があった。