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内田篤人と長友佑都の「到達点」。
CL8強の日本人対決を誰が超えるか。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2020/04/13 18:00
内田篤人と長友佑都。敵同士ではあっても、この時2人の間にはある種の連帯感が確かに存在したのだろう。
内田も、長友も日本を背負っていた。
南アフリカW杯後の2010年夏にドイツへわたった内田は、シャルケで右サイドバックのポジションを確保していた。「日本人でもドイツでやれるじゃん、内田って使えるじゃんと思わせたい」という彼らしい使命感が、背番号22を背負う22歳を成長させた。
内田と同じタイミングでセリエAのチェゼーナへ移籍した長友は、'11年1月末にインテル・ミラノへステップアップした。
物静かで真面目という典型的な日本人像を打ち破り、オープンな性格で異文化に溶け込んでいったこの左サイドバックも、豊富な運動量を蓄えるその身体に使命感を刻んでいた。
「世界一のサイドバックになりたい」という野心も、実は日本サッカーへの責任感が支えとなっている。
「日本人選手の代表として自分が引っ張っていく。それぐらいの気持ちでやらないといけない、と思っています」
内田「CLの頂点はやっぱり遠いですよ」
そんなシャルケとインテルの対決は、アウェイでのファーストレグを5-2の勝利で飾ったシャルケが、ホームの第2戦も2-1で勝利して勝ち抜けた。準決勝ではマンチェスター・ユナイテッドと激突するが、2試合合計で1-6の完敗をしてしまう。
そしてシャルケを打ち破ったイングランドの“赤い悪魔”も、決勝でバルセロナに1-3で屈する。ヨーロッパから帰国した内田は、「CLの頂点はやっぱり遠いですよ」と苦笑いを浮かべたものだった。
「やっぱりまだ遠いなあ、って感じです。ベスト4から上がまた、さらに遠いというのがありました」