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2020年J1、識者の展望&順位予想。
意外な優勝候補、不気味な存在は……。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/02/20 20:00
いよいよ開幕するJ1リーグ。今年はどんな戦いが繰り広げられるだろうか。
ACLと国内リーグの2冠は例がない。
順位予想は3つのグループに分けた。不確定要素が多いからだ。
ACLに出場する3チームは優勝候補に上がってくるが、勝ち上がり次第でスケジュールが変動する。ACLだけでなく国内のカップ戦でも上位に進出すると、スケジュールはさらに厳しくなる。
天皇杯覇者で昨シーズン8位の神戸を上位グループではなく中位グループとしたのは、初出場となるACLとの並行日程にどこまで耐えられるかが読み切れないからだ。アンドレス・イニエスタの稼働率に左右されるチーム体質が気になる。さらに言えば、トーマス・フェルマーレンがEUROに出場するベルギー代表に招集されると、5月中旬あるいは下旬から彼を欠くことになる。
ACLと国内タイトルを同時に獲得したケースは過去にない。そう考えると、ACLに出場しない鹿島アントラーズ、川崎フロンターレ、セレッソ大阪らにもチャンスがある。鹿島は昨シーズン3位、川崎は同4位、セレッソは同5位と、いずれも地力のあるクラブだ。
個人的に注目するのはセレッソだ。ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督のもとで、昨シーズンのJ1で最少失点を記録した。守備が計算できるチームは大崩れしにくく、連戦を乗り切るにあたっての強みを持つことにもなる。得点ランキングの上位に食い込むような選手が出てくれば、優勝争いに食い込めると予想する。
G大阪は昌子獲得で守備が安定?
中位グループではガンバ大阪に触れたい。
7位に終わった昨シーズンはリーグ4位タイの54得点をあげた一方で、48失点はリーグ10位だった。守備力の向上を実現すれば、昨シーズン以上の順位は確実に見えてくる。
トゥールーズ(フランス)から獲得した昌子源がピッチに立てば、攻守のバランスが整っていくだろう。'18年7月から采配をふるう宮本恒靖監督にとっても、勝負のシーズンである。
大分トリニータの下位グループは意外だろうか。昇格1年目で9位に食い込んだクラブは、「勝点55で6位以上」を目標に掲げる。それはもう当然のことなのだが、2年目は周囲の包囲網が厳しくなる。2年目に降格の憂き目に遭ったクラブは少なくない。
昨シーズン途中にそれまで8得点をあげていた藤本憲明が神戸へ移籍し、チーム最多の10得点をあげたオナイウ阿道も今オフにマリノスへ新天地を求めた。彼らに代わる得点源の確立が急がれる。
中断前の戦いぶりは間違いなく重要だが、五輪後に再開される“第2ステージ”での巻き返しはもちろん可能だ。ここでは夏の移籍市場での補強が、ひとつのポイントになってくる。足りないパーツを速やかに補ったクラブが、目標達成に近づくだろう。