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トルシエ「森保監督には2つの選択肢」
五輪・金メダル獲得へのプランとは?
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![田村修一](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
田村修一Shuichi Tamura
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2020/02/05 20:00
![トルシエ「森保監督には2つの選択肢」五輪・金メダル獲得へのプランとは?<Number Web> photograph by Etsuo Hara/Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/8/7/700/img_8702adcae14965b5134b1e81150704b7151884.jpg)
1月29日にJFAからU-23日本代表監督続投が発表された森保一監督。2つのチームをどうまとめていけるか……。
「W杯予選の試合も五輪代表のために活用すべき」
――しかし2つの代表チームの試合日程は詰まっていて、ミャンマー戦の翌日が南アフリカ戦、コートジボワール戦の翌日がアウェーのモンゴル戦です。森保監督が両方の練習を見るのは不可能ですが、どうすればいいのでしょうか?
「まずやるべきは、その集団からふたつのグループを選抜することだ。ひとつは、オーバーエイジも加えた五輪代表チーム。もうひとつは、その他の選手で構成されるA代表となる。
ふたつのチームを彼が完全にコントロールするのだが、どちらを優先するかと言えばもちろん五輪代表チームだ。A代表の予選突破はほぼ間違いないのだから、この際、ワールドカップ予選の試合も五輪代表のために活用すべきだ。
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五輪世代やオーバーエイジのために、とにかくプレーの機会を多く与えたい。国内組の選手たちも含めてだ。タイ遠征に連れていった中からも5~6人はこのグループに入る可能性があるから、彼らをひとつにまとめて、五輪代表チームにするためのラボラトリーとしてこの期間をフルに活用すべきだ。
日程の問題については、A代表よりも五輪代表を優先するという明確なメッセージが必要だ。
選手に向けても、五輪のために準備しているのだとはっきり自覚させるメッセージを送る。そのためには監督が彼らの傍にいなければならない。だから監督がふたつのチームの間で選択を迫られたら、選ぶのはA代表ではなく五輪代表であり、どちらの試合に専念すべきかといえばそれは五輪代表戦とハッキリ宣言することが大事なことになる。
4試合はすべて日本でおこなわれるのか?」
――最初に豊田でA代表のミャンマー戦(3月26日)があり、翌日が京都でU23南アフリカ戦です。その後は30日に福岡でU23コートジボワール戦で、ここまでが国内のゲームです。翌31日のA代表のモンゴル戦だけがアウェーです。
「それならば、やはり最初の3試合は五輪代表チームのために優先すべきだろう。ふたつのチームのうち五輪代表チームではない方のチームでモンゴル戦の準備をする。そして、五輪代表チームで最初の3試合(ミャンマー戦と南ア戦、コートジボワール戦)に臨むわけだ」
――それはいいかも知れません。
「モンゴルにはB代表を派遣する、という感じになるだろう。それ以外の3試合に五輪向けのベストチームを組んで集中的に臨めばいい。モンゴル戦は火曜だから、チームは日曜に日本を発てば大丈夫だ。そのチームはモンゴル戦だけに特化したチームだ。A代表には違いないが、当然オーバーエイジの選手たちはコートジボワール戦を優先させる人選になる。
だから、例えばミャンマー戦はA代表の50%を五輪代表で構成して――ヨーロッパ組を中心にしてということだが――翌日の南ア戦は、その50%のヨーロッパ組に国内組のベストメンバーとオーバーエイジを加えた完全な五輪代表チームで臨む。当然、次戦の南ア戦のオーバーエイジはベストのメンバーを選ぶべきだ。そして最後のコートジボワール戦は、オーバーエイジを含めた五輪代表のその時点でのベストメンバーを先発させる。
南ア戦とコートジボワール戦のメンバーこそが、五輪の本番を戦う選手たちとなる。それ以外のメンバーがモンゴル戦を戦えばいい。とにかく最初の3試合は、できれば五輪代表チームで臨むべきだ。豊田と京都は距離的にも近いから、連戦でも問題ないはずだ」