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全国高校駅伝「前回準優勝」高校から選手の9割が集団転校の衝撃…残されたチームの再建はどうなる? 過去のケースから見る「復活への道」

posted2025/03/06 17:04

 
全国高校駅伝「前回準優勝」高校から選手の9割が集団転校の衝撃…残されたチームの再建はどうなる? 過去のケースから見る「復活への道」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2012年、宮城・仙台育英高からの転校組を主力として初出場で都大路の初優勝を決めた愛知・豊川高。卒業後も選手たちは結果を出した

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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 高校駅伝屈指の強豪である福岡・大牟田高の駅伝部員が鳥取城北高に集団転校すると報じられた。指導を受けていたコーチに追随する形だが、大牟田高は昨年の都大路では準優勝したチームだけに、鳥取のみならず全国の勢力図を変えることにもなりそうだ。過去には強豪の宮城・仙台育英高から愛知・豊川高への集団転校が話題になったこともあった。当時の顛末はどんなものだったのだろうか。《全2回の2回目/最初から読む》

 当時、豊川高といえば、女子が全国の強豪として知られていた。

 しかし、男子はというと、豊川工高が愛知の絶対王者に君臨し県大会を14連覇中。豊川高はなかなか全国に駒を進められずにいた。ところが、この年は強力な転校生が加わり、一気に戦力アップ。愛知県大会ではライバルの豊川工高に2分以上の大差を付けて、初の全国大会の切符を手にした。

集団転校で激変した「勢力図」

 なお、15連覇を逃し2位に終わった豊川工高は、大敗したとはいえ従来の大会記録を上回っていた。つまりはそれほど新生・豊川高の力が頭抜けていたということだ。結果的に愛知県内の勢力図は明らかに変わった。

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 勢いそのままに豊川高は都大路でも躍動を見せる。全国の舞台は初出場ながら、圧倒的な走力を武器に初優勝を成し遂げたのだ。3区以降は独走で、2位の兵庫・西脇工高に2分近い大差をつける圧勝劇だった。

 しかし、レース後のチームは手放しで祝福されたわけではなかったように思う。優勝メンバー7人のうち5人が仙台育英高からの転校生。むしろ賛否の「否」のほうが圧倒的に多かった。

【次ページ】 高校卒業後も活躍を見せた「転校組」

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