【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER

日本の部活に決定的に足りない物。
池田純が語った4つの教育方針。 

text by

池田純

池田純Jun Ikeda

PROFILE

photograph byAFLO

posted2019/10/20 11:50

日本の部活に決定的に足りない物。池田純が語った4つの教育方針。<Number Web> photograph by AFLO

部活動が日本スポーツ界の中で占める存在感は大きい。変革は簡単ではないが、時代はいやおうなく進んでいる。

本気でやるか、ゆるくやるかを選ぶべき。

 そして、本気で取り組むかレクリエーションとしてスポーツと接するかを、子供が自分で早い段階から選べる知識や環境があったらいいと思います。

 子供を育てていて感じるのは、彼ら彼女らは5歳くらいの時点で「自分が“今日は”何が好きか、やりたいか」はわかります。

 ですので小学校に入る前後のタイミングで多くのスポーツに触れ、好きなものを選べる環境を用意してあげれば、あとは自分で進む道を判断できる自主性という能力が高まると私は考えています。

 我が家では、子供が興味を持ちそうなものを色々用意しています。家にはバスケットゴールや野球のマウンドを用意し(田舎ですので土地がひろい)、スケボーのランプも作りました。サーフィンをする時に海へ連れて行くこともあります。

 5歳の息子は、その日の気分によって「今日はテニスをする」「バッティングするからボール投げて」と自分で決めて遊んでいます。

 ただ、この環境をすべての家庭で用意するのが現実的じゃないことはわかっています。だからこそ、行政や企業のそういうサービスやビジネスが必要なのです。多くのスポーツに触れて、その中で自分が好きなものを選べる環境が重要だと考えます。

早い自己決定が、進路の決定に影響する。

 早い時期から自己決定することで、その道が自分の進む道ではないと判断することも、辞めて次の目標を決めることもできるようになります。

 私は中学校の時に、ジュニアオリンピックでの優勝と将来のオリンピックを目指してスイミングクラブで週に9回練習していました。3日が朝練と夜練、3日が夜練だけ、そして1日は完全オフです。朝練は6時半から、夜は終わると21時、この練習は学校の部活動では無理ですよね。

 それなのに、当時通っていた中学校は「中体連の大会に出るなら学校の部活に参加しないとダメ」というルールでした。高校も同じでした。

【次ページ】 トップレベルでやったからこそわかったこと。

BACK 1 2 3 4 NEXT
#池田純

他競技の前後の記事

ページトップ