【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
日本の部活に決定的に足りない物。
池田純が語った4つの教育方針。
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byAFLO
posted2019/10/20 11:50
部活動が日本スポーツ界の中で占める存在感は大きい。変革は簡単ではないが、時代はいやおうなく進んでいる。
トップレベルでやったからこそわかったこと。
でも私が目指していたのは思い出を作ることではなくて水泳で日本一になることでしたので、中学生時代の私には、指導者も施設も周囲のレベルも劣っている学校の部活で練習することにはどうしても価値を感じることができませんでした。ですので中体連や高体連の大会には出ていません。というか出ることができませんでした。
しかし、水泳のトップを目指して全力で取り組んだからこそ、全国のクラブチームの本気のスイマーが集まるジュニアオリンピックでも幾度も表彰台にのぼるレベルを経験し、まさに国内トップレベルを経験することができました。
残念なことに、高校の早い段階で怪我をして水泳選手の目標は断念せざるをえませんでしたが、同時に、ジュニアオリンピックに呼ばれる世界のトップレベルの選手との距離も痛感しました。
それで、「じゃあどこなら未来、社会にでたときにトップになれるか」と考える脳みそが育まれ、「社長になろう」と、水泳選手としての目標を断念した直後に、次の人生の目標を定めることができたのです。
やはり、なんでもやるならトップレベルでやるべきだと、水泳からの学びは大きかったと考えています。
自主性・自己主張・自己決定・自己責任。
日本の教育にはこの「自主性・自己主張・自己決定・自己責任」という考えが決定的に足りないと思います。
世界を見据え、日本の未来を憂うならば、自分が将来何になりたいのかを決めて、そのために時間とエネルギーをどう使うかをもっと早い時期から意識した方がいいというのが私の考えです。
スポーツに3年間打ち込むのなら、そしてその競技でプロになるつもりがないのなら、「では最終的にあなたは何になりたいんですか」という問いに答えられないといけません。
自分の進む道が決まっていた方が、同じスポーツをするにしても、身につく力や経験を最大化できますよね。なんとなく中途半端な気持ちで3年間過ごすのはあまりにももったいないと思います。