【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
日本の部活に決定的に足りない物。
池田純が語った4つの教育方針。
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byAFLO
posted2019/10/20 11:50
部活動が日本スポーツ界の中で占める存在感は大きい。変革は簡単ではないが、時代はいやおうなく進んでいる。
これから、人の時間は余るようになる。
とはいえ、人間ですから自分の進みたい道が変わることももちろんあるでしょう。そのために、再挑戦できる環境を社会が用意する必要もあります。
たとえばメジャーリーグでは、マイナーから上がれずに野球の道を諦める選手たちを大学に復学させるシステムがあります。再挑戦の機会があるからこそ、自分で決めた道に全力が出せる。チャレンジとセーフティーネットは2つで1つなんです。
そして同時に、娯楽としてゆるく触れるスポーツの環境も必要です。
私はこれからの時代、多くの人が時間が余るようになると思っています。働き方改革が進み、AIも発展していけば、働く時間というのはこれから減っていくでしょう。その時に空いてしまった時間を使う先として、スポーツはやはり有望です。
海へ行くと感じるんですがいまサーフィン人口が増えていて、'70年代から'80年代のサーフィンブームを通った世代が帰ってきているんですよね。それは有り体に言えば、時間の使い先を探している人が増えているから。その時に、人生を通じて付き合い続けているスポーツがあることは幸福なことだと思います。
本気でやる人にとっても、生涯の趣味としてスポーツと付き合う人にとっても、もっと日本の社会に必要で大事なのは自主性、自己主張、自己決定、自己責任です。部活動も、時代に応じた変化を受け入れる必要があると思います。