炎の一筆入魂BACK NUMBER
「俺よりも優れた指導者はいる」
広島一筋33年の緒方孝市監督が辞任。
text by
![前原淳](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
前原淳Jun Maehara
photograph byKyodo News
posted2019/10/01 17:00
![「俺よりも優れた指導者はいる」広島一筋33年の緒方孝市監督が辞任。<Number Web> photograph by Kyodo News](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/e/b/700/img_eba39a0780272136cfa8fb7f858afc5b139263.jpg)
10月1日に開いた記者会見で「全力で最後までやり切ったなと。そういう思いでいます」と語った緒方監督。
選手を信じて正攻法の戦い方を貫いた。
努力でのし上がった現役時代と同じように、監督として過ごした5年間も武骨に、愚直に向き合ってきた。奇をてらった策よりも、選手を信じて正攻法の戦い方を貫いた。不器用な性格からメディアとの距離を縮められず、選手に間違った愛情のぶつけ方をしたこともあった。
ナイター試合でも朝8時過ぎにはマツダスタジアムに姿を見せ、映像に見入るなど、研究に研究を重ねた。全身全霊を注いだ月日は想像できない歪として監督の肉体を襲っていた。今季終盤は病院に通い点滴を打ちながら指揮を執っていた。指揮官として選手のコンディションに気を使いながらも、自身のコンディションは顧みなかった。
鳥栖高から入団して、広島一筋33年。広島の伝統を重んじ、広島にすべてを注ぎ込み、全力で駆け抜けた緒方孝市が、赤いユニホームを脱ぐ。
![](https://number.ismcdn.jp/common/images/common/blank.gif)