フランス・フットボール通信BACK NUMBER
CLの影響力が強くなることに反対!?
リーガ会長の抜群のリーグ運営感覚。
posted2019/10/02 08:00
text by
フレデリック・エルメルFrederic Hermel
photograph by
Jerome Prevost/L'Equipe
2013年からリーガ・エスパニョーラの会長を務めるハビエル・テバスは、就任以来積極的にリーガの改革に取り組んできた。そのやり方には常に賛否両論がつきまとっているが、実際に彼があげた業績は素晴らしく、スペインサッカーへの貢献という点では論をまたない。
『フランス・フットボール』誌8月20日発売号では、リーガの開幕に際してフレデリック・エルメル記者がテバスのインタビューを行っている。テバスの語るリーガの現状と今後の展望は……。
監修:田村修一
スペインサッカー協会との問題。
――リーガの会長として2019~20年シーズンに何を望んでいますか?
「政治とスポーツの両面で目標がある。
まず何と言ってもヨーロッパにおける国際大会の狂気の沙汰ともいえる改革(UEFAは2024年以降、CLの日程を8節増やすことを計画している)に歯止めをかけることだ。それがここ数年の間にわれわれが成し遂げた成果に、大きな影響を与えるからだ。リーガのみならず多くの国のリーグに、スポーツと経済の両面で深刻な打撃を与え得る。
また国内でいえば、スペインサッカー協会との間の様々な問題を解決する必要がある。
合意可能な問題もあるが、司法に判断を委ねなければならないものもある。ただ、明快な解決なしには、ここまで成果をあげてきた発展の戦略を続けていくことはできないだろう」
――サッカー協会との問題とはいったい何でしょうか?
「端的に言って権力とそれを行使する能力の問題だ。
新しい協会幹部たち(1年半前に選出された)は、今日のサッカー産業の実態がどうであるのか、資産価値を増やすことを望んでいる投資家たちが何を必要としているのかを理解していない。彼らの考え方は、私から見たら極めて原始的だ」
――ではあなたが杞憂するヨーロッパの国際大会の改革とは?
「これこそリーグアンを含めすべての国に影響を及ぼす。フランスのマクロン大統領も憂慮している。
まるでカフェのカウンターでの世間話のように、十分な議論なしに決められたものだ。決定した人々は、ヨーロッパのサッカー産業への影響をまったく考えていない。
もちろん是正すべき点はある。とりわけ各国のリーグ間にある不均衡については是正が必要だ。だが、それらの問題を解決するのはCLとELの改革ではない。
危機というのは……各国リーグの収入が低下していることだ。その結果としてクラブの資産価値も失われつつある。私の計算では、それはおよそ50%にも達する。私はこの数カ月間、UEFAのプロジェクトに反対しているし、今季も多くの時間とエネルギーを捧げることになるだろう」