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CLの影響力が強くなることに反対!?
リーガ会長の抜群のリーグ運営感覚。
text by
フレデリック・エルメルFrederic Hermel
photograph byJerome Prevost/L'Equipe
posted2019/10/02 08:00
UEFAが進める欧州サッカーの改革に反対しているリーガ・エスパニョーラ会長ハビエル・テバス。
C・ロナウド不在は、どれほどの影響に?
――昨季はプレミア勢がヨーロッパの決勝を独占しました。以前はリーガのクラブが優位を築いていましたが、いったい何があったのでしょうか?
「ある種の正常さを回復したといえる。つまり他国のクラブも、スペインのクラブの真のライバルとなった。それから忘れてならないのは、決勝に進んだ4つのクラブのうち3つは、最後の瞬間に進出を決めたことだ」
――それでもリーガが世界最高のリーグであるといえますか?
「それは間違いない。ここには最高のサッカーがあるし、われわれのリーグはどこよりもコンペティティブであるからだ」
――2018年7月にクリスティアーノ・ロナウドがスペインを去ったのは悪い兆しでしょうか?
「それがそうでもなかった。私も影響は大きいのではと考えていたが、誰もそうは言わなかったし、世界中のクライアントからもそんな声はひとつもあがらなかった」
――最大のライバルはやはりプレミアリーグなのでしょうか?
「その通りだが、ブンデスリーガとセリエAも財政改革の効果が現れている。特にイタリアは、それを活用してリーグの活性化に努めている。改革によって収入が増えるから、最終的に国庫も潤う。スペインはそこまでいってはいない。租税に関しては、スペインの選手はヨーロッパで最も恵まれていないといえる」
――それでもフランスほど悪くはないですが……。
「いや、フランスはボーナスのシステムがあって、複数年契約を結ぶ選手が租税面で恩恵が受けられる点でスペインよりも有利だ」
リーガのブランド力をもっと上げる予定。
――今後の発展の余地はどこにあるのでしょうか?
「国内のテレビ放映権に関しては、さらに改善していかねばならない。ただ海外の放映権は、プレミアリーグが先行しているとはいえわれわれも充分に戦える。リーガのブランド力を高めて関連商品を販売する。その部分ではプレミアに近づけると思っている」
――今はまだプレミアが数歩先んじていると……。
「それは間違いない。まず国内市場の大きさが違う。単純に人口が2000万人多いのに加え、ペイテレビ(有料放送)の加入者数も大きく異なる。イングランドは2000万人だがスペインは600万人に過ぎない。つまり国内市場の土俵では戦えないということだ。残るは世界市場しかないだろう」