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ジダンが始めた大刷新の準備。
今季の無冠が決定的、ベイルは……? 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byUniphoto Press

posted2019/04/14 17:00

ジダンが始めた大刷新の準備。今季の無冠が決定的、ベイルは……?<Number Web> photograph by Uniphoto Press

ソラーリ監督解任後も調子が上がらないレアル・マドリー。来季に向けて、ジダンは何を考えているだろうか。

“再登板”ジダンが求めたこと。

 ともかく、この先しばらくジダンは穏やかならざる日々を過ごすことになるようだ。

 シーズンをなんとか終えた後には、共にCL3連覇をやってのけたチームに対し大鉈を振るわなければならないからである。

 もっとも、それはジダン自身が求めたこととされている。

 彼は昨年の5月末、自らR・マドリーを去った。本人いわく「辞めたかったからではなく」、自分が陣頭に立った2年半の間ほぼすべてのタイトルを勝ち取ったチームを息切れや弛緩から救うには変化が必要、と感じたからだった。

 ところがクラブが用意した「ロペテギによるプレースタイルの一新」は失敗し、ソラーリによる若手の抜擢の効果も限定的。挙げ句、自分が呼び戻された。

 そこでジダンは復帰の条件としてチーム内の人事権を望んだ。選手を大幅に入れ替えることを「変化」とするためである。

20人起用は来季のオーディション?

 前述の4試合でジダンは20人もの選手を先発起用した。故障中のSBカルバハルとGKクルトワ、FWビニシウスを除くと、(途中交代を含め)ピッチに立っていないのはCBバジェホだけだ。

 彼はただ新体制の始まりを選手に知らしめ、全員に等しくモチベーションを与えたかっただけかもしれない。あるいは実戦における各選手の調子を確かめ、特性を把握し直したかったのかもしれない。

「全員を戦力として計算している」と何度か口にもしている。

 だが、シーズン終了後にチーム大改造が予定されていることを考えると、疑われるのは来季に向けたオーディションだ。誰を残し、誰を放出すべきか、ジダンは5月19日の最終節までに見極めようとしているのではないのか。

 いまのところスペインのメディアは、1年前の時点でジダンが売却を訴えていたというベイルを放出候補の筆頭に挙げている。

【次ページ】 ペップは就任会見で戦力外通告。

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