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リバプール悲願のタイトル奪取へ。
鍵を握る「ハマン」的な仕事人MF。
posted2019/04/15 11:15
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph by
Getty Images
1989-90シーズンを最後に国内リーグ優勝から遠ざかり、マンチェスター勢やロンドン勢の後塵を拝してきたリバプールが、ついに特大の歓喜に包まれるかもしれない。
就任4年目のユルゲン・クロップ監督の下、一歩ずつ着実にチームの完成度を高めてきたレッズはプレミアリーグのみならず、2004-05シーズン以来のチャンピオンズリーグ制覇も視野に入れる快進撃を見せている。
チームの絶対的な柱は絢爛豪華な3トップのロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラー、サディオ・マネ、そしてディフェンスリーダーのビルヒル・ファンダイク、主将のジョーダン・ヘンダーソンだ。弱点だったGKを強みに変えた守護神アリソンも絶対に欠かせない存在になっている。
いぶし銀ファビーニョの貢献度。
ただ見落とせないのは、いぶし銀の輝きを放つMFファビーニョの貢献だ。
鋭い寄せでカウンターの芽を潰したり、危険なスペースを的確に埋めたり、時にはCBを務めるなど守備の専門家として泥臭い仕事をこなした。彼の存在なくして、とりわけCLでの勝ち上がりはありえなかっただろう。ラウンド16のバイエルン戦やポルトとの準々決勝ファーストレグでの働きは申し分がなかった。
地味な仕事ぶりゆえに脚光を浴びにくいが、指揮官やチームメイトが全幅の信頼を寄せるバイプレーヤーは、あの14年前のCLファイナルで、栄光をつかんだ英雄たちの中にも存在した。
唸りを上げるミドルや矢のようなロングパスが冴えたスティーブン・ジェラード、巧みなゲームメイクが光ったシャビ・アロンソとともに、ミッドフィールドを支えたディートマー・ハマンだ。