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強力ルーキーたちを擁する早稲田大学。
日本体育大学は試練を乗り越えて粘れるか。 

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箱根駅伝2019取材チーム

箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019

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photograph byShunsuke Mizukami

posted2018/12/26 11:00

強力ルーキーたちを擁する早稲田大学。日本体育大学は試練を乗り越えて粘れるか。<Number Web> photograph by Shunsuke Mizukami

日本体育大学

前回大会4位> 71年連続71回目

苦難を乗り越えて磨いた「自主性」。
持ち味である後半勝負のカラーを活かせるか。

文=別府響(文藝春秋)

「9月から監督を仰せつかっていますが、この数カ月でいろんな面ですごく学生たちの意識レベルが上がって来たなと実感しています。箱根駅伝に向けて、しっかりと準備が整ってきたのではないかなと」

 12月10日のチームエントリー後の記者会見で、小林史明監督はそう力強く言葉を紡いだ。

 今季、ここまで日本体育大学は揺れた。

 部員へのパワハラ問題を理由に9月に前監督が解任。跳躍競技の指導が専門で、棒高跳の元日本記録保持者でもある小林監督が急遽の登板となった。同時に総監督に渡辺公二氏を迎え、生活の面からもしっかりとした指導ができる体制へと移行した。

 そんな混乱した状況の中ではあるが、過去10度の優勝を誇る名門の選手たちは、着実に力をつけてきている。

「自主性」を持ち、頭を使って。

 キーワードは「自主性」だ。主将を務める4年生の林田元輝はこう語る。

「出雲(9位)、全日本(12位)と結果が出なかったこともあり、色々と考える部分はありました。でも、この1年間はどのチームよりも頭を使ってやってきた自負があります。目標の総合3位以内を目指してやっていきたいと思います」

 以前は監督に与えられる練習をこなすだけだったのが、指導体制の一新に伴い、必然的に自分たちで考えなければならない状況に追い込まれた。トレーニングの強度や設定タイムも調整し、エントリーメンバー選考までも自分たちでやらねばならない。生活のルールや考え方の方針についても話し合い、週1度行っているミーティングは2時間を超える長時間になることも多々あった。

 簡単なことではないが、その過程で選手それぞれの意見をぶつけ合うことで、チームには良い結束が生まれてきたという。

【次ページ】 進境著しい廻谷と岩室。

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