プロ野球亭日乗BACK NUMBER
若き侍が次々とメジャーに適応!
日米野球で見せた急成長の中身。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2018/11/15 15:00
無失点で終え、捕手甲斐と山川に賞される佐藤優。若い選手たちが次々とメジャー相手に適応し始めている。
勝利のため自分を捨ててもやるべき事。
「基本的に僕は引っ張るタイプの打者なんですけど、引っ張りにかかると全部ゴロになる。やっぱり右方向を意識すること。ただ、メジャーの投手は動く上にボールが強い。だから相当、右方向を意識して、それでも打ったボールはあそこですから」
開幕戦では4番に座ったが4打数3三振で9回のチャンスで代打を送られた。5番に下がった第2戦でも内野安打1本の6打数1安打。そうして山川も岡本と同じように試合前の打撃練習から右方向を意識して打ち出していた。
「代表の4番はものすごいプレッシャー。ただこういう試合はとにかく勝つことしかない。4番であろうと代打であろうと、チームが勝てばいい。それだけです」
チームが勝つために自分が何をすればいいのか。頭をクールにして考えた結論が、自分のスタイルを捨てて、右方向を意識して打席に立つことだった。
第3戦では9回に代打で起用されて右中間に二塁打。そしてこの試合でも代打で結果を出している。
2点を追う7回1死一、三塁で代打で起用されて放った同点二塁打。ヘクター・ベラスケス投手(ボストン・レッドソックス)の甘く入った140キロのツーシーム系のボールをはじき返した打球は左中間を割るものだった。
打球の方向か、ボールの強さか。
岡本や山川のような長距離打者は打球方向を意識しているが、一方で秋山のような中距離打者は、むしろメジャーの投手のボールの強さを意識しているのも特長だ。
「18.44メートルという投手とバッターの距離が近く感じます」
こう語るのは源田だった。
「おそらく、向こうの投手の手足の長さだったり、(メジャー仕様の)マウンドの高さだったり、そういうのもあると思います。いつもと一緒だと差される(差し込まれる)ので、秋山さんとかも見ていて少しポイントを前に出すことを意識しています」