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森保一新監督の可変システムに最適!
世代交代へ初招集候補の名は……。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byGetty Images
posted2018/07/27 17:30
ドーハ組では初の日本代表監督となる森保一新監督。9月の連戦で選ぶメンバーに早くも注目が集まる。
トルシエ時代は小野、稲本らが。
また、兼任監督の場合、A代表と五輪代表の戦術が同じになるため、五輪代表の選手がA代表に昇格しても、A代表の選手がオーバーエイジとして五輪代表に参加しても、戦術の違いに戸惑うことがない。
こうしたメリットを最大限に生かしたのが、トルシエ時代だった。
就任2年目となる1999年に入ると、小野伸二、中村俊輔、稲本潤一、高原直泰、柳沢敦、中田浩二といったシドニー五輪世代がA代表に次々と招集されるようになり、次第にA代表と五輪代表の垣根がなくなっていく。
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その結果、2000年のシドニー五輪でオーバーエイジとして選出された楢崎正剛、森岡隆三、三浦淳宏は、なんの違和感もなく年下のチームに加わることができたのだ。
兼任なら世代交代を推し進めやすい。
また、世代交代を推し進めやすいということも兼任監督のメリットだろう。
長谷部誠、川島永嗣、長友佑都、本田圭佑、乾貴士と、ロシア・ワールドカップの主力は軒並み30代で、香川真司、吉田麻也にしても29歳だった。長谷部と本田が代表からの引退を宣言した今、日本代表チームに新しい風を吹かせる必要がある。
これからの日本代表は、香川と吉田を中心に、原口元気、大迫勇也、酒井宏樹、山口蛍らのロンドン五輪世代、柴崎岳、昌子源、宇佐美貴史、大島僚太、遠藤航、武藤嘉紀らのプラチナ世代、植田直通、中島翔哉、久保裕也、浅野拓磨、中村航輔らのリオ五輪世代が続き、そこへさらに東京五輪世代の突き上げが必要となる。
東京五輪世代は現在21歳以下だが、実は、多くの選手が所属クラブでポジションを確保している。
J1だけを見ても、DFは中山雄太(柏レイソル)、板倉滉(ベガルタ仙台)、DF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)、橋岡大樹(浦和レッズ)、岡崎真(FC東京)、MFだと三好康児と菅大輝(いずれも北海道コンサドーレ札幌)、遠藤渓太(横浜F・マリノス)、FWでは田川亨介(サガン鳥栖)といった選手たちがコンスタントにJ1のピッチに立っている。
海外に目を向ければ、MF堂安律(フローニンゲン)、MF伊藤達哉(ハンブルガーSV)、DF冨安健洋(シント=トロイデン)といった選手たちもいる。
彼らにはA代表に選出される資格が十分あるため、さっそく年内のうちにA代表に招集されてもおかしくない。ましてや森保監督が兼任するなら、なおさらだろう。