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ブラジルやスペインから学ぶもの。
ハリルJに目指すべき理想はあるか? 

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吉田治良

吉田治良Jiro Yoshida

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posted2018/04/05 07:00

ブラジルやスペインから学ぶもの。ハリルJに目指すべき理想はあるか?<Number Web> photograph by Getty Images

目標はあくまでもW杯での記録を塗り替える、ベスト16突破なのだが……。

ダボダボの服を着ている現日本代表。

 確実に言えるのは、今、日本代表が纏っているのは、サイズ感がひと目で違うと分かるダボダボの洋服だということだ。

 もちろん、10年後も20年後もこのサッカーを続けると覚悟を決めたのなら、筋骨隆々に肉体を鍛え上げ、無理やり洋服に体をフィットさせてしまう手もあるかもしれない。

 しかし、誰あろう選手たちがその着心地に違和感を覚えているのだとしたら──。

スペインでさえスタイル変更に10年かかった。

“ティキ・タカ”と持てはやされる現在のスタイルからは想像できないが、バスク人のハビエル・クレメンテが監督だった当時のスペイン代表は「キック&ラッシュ」を戦い方の柱としていた。

 ほんの20年ほど前までの話だ。

 散らし役に据えるべきジョゼップ・グアルディオラを軽んじ、屈強なフェルナンド・イエロを中盤センターに組み込む筋肉質で守備マインドの強いサッカーは、格下相手の予選や親善試合では負け知らずでも、W杯や欧州選手権の大舞台となるとからっきし。

 「無敵艦隊」という呼称にも、多分に皮肉が込められていた。

 グループリーグで姿を消した'98年フランスW杯を契機にクレメンテが代表監督の座を辞してから、選手の特性を重んじるルイス・アラゴネス監督の下でパスサッカーというアイデンティティーが確立されるまで、およそ10年。

 Jリーグよりはるかに長い歴史を誇り、はるかに競争力の高いプロリーグを持つスペインでさえ、10年かかったのだ。

【次ページ】 ハリルホジッチ監督のサッカーに拒絶反応が。

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