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ユーベは2大タイトルを獲れるか。
セリエ最高指揮官アッレグリの勝算。
posted2018/04/03 18:15
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
代表戦によるセリエA中断期間に、ユベントス監督マッシミリアーノ・アッレグリは「パンキーナ・ドーロ(黄金のベンチ)」賞を受賞した。イタリアで最も優れた指導者の証である同賞は、同国監督協会の主催によるものでシーズン毎に選定される。
アッレグリはスクデット6連覇とコッパ・イタリア3連覇、CL準優勝という昨季の功績を評価され、'08-'09年と'14-'15年に続く3度目の受賞となった。スポンサーやメディアから忖度されたものではなく、あくまで同じ土俵で戦う同業者たちの投票による選出だから誇るべき勲章だ。
受賞の喜びを問われたアッレグリは、選手たちやスタッフ、クラブへの謝辞を述べた後、皮肉めいたジョークでその場を笑わせた。
「世の監督たち全員に今後の発展と活躍を祈りたい。ただし、サッリ氏の成功だけはご遠慮いただこうか」
3月末の30節終了現在、勝点78のユーベがセリエA首位に立っている。サッリ監督率いる2位ナポリとは4ポイント差だ。
昨秋15節での直接対決以来、僅差で首位ナポリの背中を追い続けてきたユーベが、ついにスクデットレースの先頭に立ったのは3月11日。
王者ユーベがセリエで追う展開に。
しかし、分水嶺はその1週間前に遡る。
前節アタランタ戦が雪で延期となり、カリアリ相手に5発大勝した首位ナポリの勝点は69に。暫定的とはいえユーベが勝点4差をつけられたのは近年あり得なかったことで、王者は心理的に追いつめられた。
さらに、3日にアウェーで挑む相手が昨夏8月のイタリア・スーパー杯に続いて、10月にホームで戦った前半戦のカードでも敗れた“天敵”ラツィオだったことも、ユーベにプレッシャーを与えた。
夕方6時に始まった敵地オリンピコでの試合はユベンティーノの不安が的中。ラツィオのペースで試合は進み、0-0で後半アディショナル・タイムに突入した。