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アジア王者浦和に何が起こっている?
“最適解”を探して崩れたバランス。

posted2018/03/17 17:00

 
アジア王者浦和に何が起こっている?“最適解”を探して崩れたバランス。<Number Web> photograph by Getty Images

数多のサポーターがスタジアムに集まるだけに、厳しい声も飛ぶ。それを歓喜に変えるのが浦和イレブンの使命だ。

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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 アジア王者の浦和レッズが苦しんでいる。

 FC東京とのリーグ開幕戦を1-1で終えると、2節ではサンフレッチェ広島に1-2と逆転負け。ルヴァンカップの名古屋グランパス戦に4-1と大勝して勢いに乗るかと思われたものの、J1初昇格のV・ファーレン長崎との3節も1-1と引き分けた。

 そして3月14日のルヴァンカップで、ここまで公式戦4戦全敗のガンバ大阪に1-4の完敗を喫してしまった。

「ゲームの入りが非常に良くなかった。攻撃の出発点もハマらず、守備もコンパクトにできず、失点を重ねてしまった」

 試合後、堀孝史監督は攻守両面に問題があったことを認めざるを得なかった。

取り組んだ「可変システム」の工夫。

 なぜ、こうした事態に陥ってしまったのか――。

 右サイドバックに入る遠藤航の言葉が、チームの現状を端的に表している。

「昨年、しっかりとした守備をベースにアジアチャンピオンになったけど、攻撃の形はなかなか作れなかった。それは監督も分かっていたから、どうすればいい形で攻撃できるかを考えながら工夫して、チームに落とし込んでくれている。でも、それが今は結果に繋がっていない」

 昨年7月に誕生した堀体制2年目の今季、浦和はキャンプから「守備力を維持したうえで攻撃力を高める」というミッションにトライしてきた。

 その際、ポイントになったのが、遠藤の言う「工夫」――守備と攻撃でフォーメーションを変える「可変システム」であり、「偽サイドバック」だった。

 ベースとなるフォーメーションは昨季と同様、4-1-2-3。しかし、攻撃をビルドアップする際には、にわかに形が変化する。左サイドバックの宇賀神友弥が中盤に入り、3-2-5のような形になるのだ。

【次ページ】 5人を前線に角度をつけて連係を。

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