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開幕3連敗のガンバ大阪は大丈夫?
遠藤保仁に聞いたクルピ流の攻撃像。
posted2018/03/18 08:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
開幕3連敗――。
開幕戦の名古屋戦は2-3で打ち負け、鹿島戦は0-1で完封負け、川崎戦は0-2というスコアだがシュートはわずか2本、決定的なチャンスを1つも作れなかった。ここまで完膚なきまでやられたのは3年前のナビスコ杯決勝の鹿島戦以来だろう。
遠藤保仁も「今日はいいところがなかった」と完敗を認めていた。
周囲では「ガンバ大阪は大丈夫か」と現状を不安視する見方が広がっている。
今季、ガンバはレヴィー・クルピが監督に就任し、ポゼッションを主体とした攻撃サッカーへの回帰をうたった。
昨年までは守備のブロックを作り、ボールを奪って早く攻めるカウンタースタイルだったが、引いた相手を崩せず、リーグ戦は8月26日の鳥栖戦(第24節)に勝ったのを最後に、シーズン終了まで10試合勝てずに終わった。総得点数は48得点で10位に沈み、攻守に特徴のないチームになってしまったのだ。
クルピ新監督の存在はポジティブ。
クラブはアイデンティティを失う危機感からクルピを招聘した。
これはチームにとっても、遠藤にとってもポジティブなものだった。
クラブは、選手育成に定評があるクルピに、強いガンバの再建とクラブのスタイルである「攻撃的サッカー」の再生を託すことができる。
遠藤はここ数年ポジションが定まらず、チームが求めるスタイル上、良さが出にくくなっていた。だが攻撃的なサッカーであれば自分の力を最大限に活かせる。
開幕前、クルピが目指すサッカーについて、遠藤はこう述べた。
「昨年とは戦術がまるで違う。ボールを握りながら試合を進めていくのを重点に置いて、早い攻撃でも遅攻でも、どんな攻撃でも点が取れるようなチームを目指している。3点取られても4点取って勝つサッカーができればと思っています」
どつきあいのサッカーは優勝した2005年のガンバのスタイルだが、遠藤が現在抱いている攻撃のイメージは、中盤だけで攻撃を組み立てる当時のスタイルではない。チーム全体が関わるビルドアップで押し込み、遠藤が賞賛する川崎のようにポジションを臨機応変に変えて攻めていくスタイルだ。