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BIG4時代崩壊を示す興味深いデータ。
ダニエル太郎のジョコ撃破も納得!?

posted2018/03/14 08:00

 
BIG4時代崩壊を示す興味深いデータ。ダニエル太郎のジョコ撃破も納得!?<Number Web> photograph by Getty Images

本調子ではないとはいえ、ジョコビッチ相手の勝利はダニエル太郎にとっては記憶に残る1勝になるに違いない。

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今田望未

今田望未Nozomi Imada

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 ダニエル太郎、ジョコビッチに勝利。

 インディアンウェルズでの突然の大金星に驚かれた人も多かったのではないだろうか。相手が故障明けだったとはいえ、予選上がりの世界109位の勝利は大きく報じられた。しかし最近の男子テニス界を見ていると、この大金星も日常の1ページとなっているほど、番狂わせが毎日起きている。

 男子テニス界に急激に吹き始めた嵐。インディアンウェルズでは、17歳のフェリックス・オージェ・アリアシム(カナダ)がマスターズデビュー戦でいきなり勝利を収めるなど、ネクスト・ジェネレーションの台頭によって一気に世代交代の空気が強まってきた。

 しかし、世代交代の原因はそれだけではない。長らく支配的だったBIG4の陰りが、世代交代を後押しする形になってしまっている。

 BIG4が全盛だった頃には、他の選手が優勝するためにはBIG4を最大3人倒さなければいけなかった。準々決勝までに1人、準決勝で1人、決勝で1人、だ。やっとの思いで1人に勝つことができても、テニスはノックアウト形式。疲労困憊の状態で次のBIG4と対戦し、勝利することは容易ではない。

歴史的に強い選手が4人もいなければ……。

 男子テニスにおいて、史上最強と言われる時代はこれまでにも何度かあったが、BIG4時代が他と比べて異質なのは、歴史に名を残す選手が複数存在していることだ。そのためBIG4以外の選手にとっては、マスターズのタイトル1つですら限りなく遠いものになっていた。

 過去を振り返ってみると、2010年のウィンブルドンではトマーシュ・ベルディフ(チェコ)が、準々決勝でロジャー・フェデラー(スイス)、準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に連勝するも決勝でラファエル・ナダル(スペイン)に敗れて準優勝。

 2013年のインディアンウェルズマスターズでは、ファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が準々決勝でアンディー・マリー(イギリス)、準決勝でジョコビッチに連勝するも決勝でナダルに敗れて準優勝。このように、歴史的に見ても強い選手が4人もいなければ頂点に届いていたであろうケースは多くある。

【次ページ】 2016年後半、独占状態が崩れた。

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