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BIG4時代崩壊を示す興味深いデータ。
ダニエル太郎のジョコ撃破も納得!?
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph byGetty Images
posted2018/03/14 08:00
本調子ではないとはいえ、ジョコビッチ相手の勝利はダニエル太郎にとっては記憶に残る1勝になるに違いない。
2016年後半、独占状態が崩れた。
その傾向が崩れ始めたのが2016年後半からだった。
2016年後半にフェデラー、ナダルがツアーを離脱。ジョコビッチとマリーの壮絶な1位争いによってツアーは盛り上がり、マリーがアジアシリーズから最終戦まで24連勝でツアーを終えたが、2017年に入ってこの2人もけがの影響などで一気に失速した。
フェデラーとナダルは鮮烈な復帰を果たしたものの、BIG4は4人揃わないまま。現在はナダルのけがもあり、さらに支配力が落ちてしまっているというのが現状である。
これらのBIG4時代が崩壊しつつある現状は、数字にもはっきりと表れている。
今回、「主要大会」をグランドスラム4大会、マスターズ9大会、ワールドツアーファイナルズの計14大会と定義して、BIG4の勝ち上がりをまとめてみた。
ツアーが現行のシステムになり、すでにBIG4時代に突入していた2009年以降のデータでみる。
2017年はBIG4同士の決勝が3回だけ。
まず主要大会のBIG4の優勝回数は2009年から2016年まで98回。全112大会のうち実に88%で優勝している。
しかし2017年は14大会中9回優勝と、64%にまで減少。特筆すべき結果としてネクスト・ジェネレーションのアレキサンダー・ズベレフ(ドイツ)がローマ、カナダと2連勝したことが挙げられるが、マスターズでBIG4以外の選手が年間2勝するのは、2007年のダビド・ナルバンディアン(アルゼンチン)以来10年ぶりの出来事だった。
さらに象徴的なのが、決勝進出まで含めた場合のBIG4の独占率だ。
1年間の主要大会決勝進出者の人数はのべ28名だが、2009年~2016年までは年間平均約21人がBIG4だった。実に決勝進出者の75%がBIG4という計算だ。これは2大会行われればどちらかはBIG4同士の決勝になるという独占ぶり。ところが2017年、BIG4の決勝進出回数は14回。なんと50%にまで減少した。
この結果、毎年必ず6回以上あったBIG4同士の決勝が、昨年はわずか3回しか行われなかった。また、その対戦カードもフェデラーとナダルの組み合わせのみだった。