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1.4東京ドーム前哨戦の果てに……。
IWGP王者オカダ・カズチカの焦り。
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![原悦生](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2017/12/08 08:00
![1.4東京ドーム前哨戦の果てに……。IWGP王者オカダ・カズチカの焦り。<Number Web> photograph by Essei Hara](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/e/5/700/img_e5d12ee2c1caa92ef0dbad03c1b8cae4119630.jpg)
内藤にガッチリ決まった“コブラホールド”。オカダの新技は、なかなかどうして相当なダメージを負わせるようだ。
古くて新しい技、変形のスリーパーホールド。
試合の終盤で、カットに入ったオカダはロープ際で内藤をしっかり捕らえるとグラウンドで絞め続けた。
ボディシザーズで内藤を逃さないようにして、内藤の腕を絡めての変形スリーパーホールドだ。
リング内で試合の決着がついてもオカダは内藤を放そうとしなかった。あまりの苦しさに内藤はタップのしぐさを見せた。
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記録には残らないが、オカダの完勝だった。
“コブラホールド”
オカダがこのタイミングで放った新しい技だった。
一般的には“コブラクラッチ”とも呼ばれるスリーパーホールドを原型とした技自体は、呼び方や角度は違っても、使い手は多い。古くは坂口征二やアメリカのマッドドッグ・バションが使っていたし、天山広吉の“アナコンダ・バイス”もその変形だった。
オカダはそのコブラクラッチにボディシザーズをプラスしたことになる。
フィニッシュは何があっても“レインメーカー”にこだわっていたオカダに変化が表れてきた証拠だ。
実際に……相当効いていた新技“コブラホールド”。
オカダはロープ際で倒れている内藤を仁王立ちで見下ろした。
「東京ドームまでまだ時間ありますけれども、まだ早い、なんてことはない。内藤さんをあせらせてやるよ。チャンピオンというものをしっかり教えてやる」
「まだなのかなあ、スイッチが入らないのかなあ。まだ焦んないのかなあ。わかんないならいいよ、オレは、あせってんだよ。ガンガンいかせてもらうよ。ツームストンを刺すだけじゃない。レインメーカーで殴るだけじゃない。しっかり締め落としてやるから、覚悟しとけよ」
こういって繰り出したのが“コブラホールド”だった。
このコブラホールドは……実際に相当効いた。
内藤は2日間、このダメージを引きずった。
だが、内藤はまたすぐに強気になった。
「後楽園でコブラホールドをくらった時は、たしかにダメージが大きかった。次の日までそれを引きずったからね。でも2回目にくらったコブラホールドは、ダメージはあるけどさ、翌日までは引きずらないよ。ちょっと身体が慣れてきちゃったかな」