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NBA流スーパーチームの作り方。
オフの素早い移籍活動は選手主導!? 

text by

長澤壮太郎

長澤壮太郎Sotaro Nagasawa

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photograph byNathaniel S. Butler/NBAE via Getty Images

posted2017/07/05 08:00

NBA流スーパーチームの作り方。オフの素早い移籍活動は選手主導!?<Number Web> photograph by Nathaniel S. Butler/NBAE via Getty Images

彼らを凌駕するチームは現れるか。

移籍前から新チームの内情を全て把握していたレブロン。

 レブロンがマイアミにいた時のスーパーチームも、やりくりを上手くやったのはライリーではあるが、レブロン、ウェイド、ボッシュはそれより遥か前の2006年頃から計画を始め、同じマネージメント会社に所属し、同時期にFAになるように契約を合わせているのである。

 クリーブランドに戻る時も、レブロンは事前にクリーブランドのオーナーと密会し、資金繰りやトレードする選手を決めていた。ドラフト1位でクリーブランドに選ばれたにもかかわらず開幕前にトレードで出されてしまったアンドリュー・ウィギンズの名前が、レブロンの移籍決定時に発表されたクリーブランドファンに向けた決意の手紙に含まれていなかったのは偶然ではないのである。

選手自身が現役時からキャリアマネジメントを。

 選手は近年、大型契約を手にしてからも浮かれることなく自身の財産の管理や投資を真剣に勉強し、現役中から多岐に渡ってビジネスを展開している。

 好きなバスケットボールでNBA選手になれて、「夢が叶って万歳!」。そして落ちぶれたら引退。

 そんな単純なキャリアで終わる選手はもう少ない。選手たちは、自身のキャリア作りに現役時代から余念がないのである。

 スター選手が続々と集結している現実には、他の選手と常日頃から情報交換をして、人生をより上手く活かせる戦略を常に練っているという背景もあるのだ。

 ウォリアーズがケビン・デュラントを引き込んだのも、ドレイモンド・グリーンが1年がかりで日々コミュニケーションを取っていたからである。先日、クリス・ポールがロケッツに即移籍できたのも、ジェームズ・ハーデンが2年前から誘って準備していたからと報道されている。

 現状のNBAの規定では、チームと契約下にある選手や関係者に他のチームが接触してはいけない。

 しかし、SNS隆盛の今、仲の良い選手同士の連絡をコントロールするのは不可能だ。

 チーム側も今までのように重鎮的なマエストロが裏で糸を引くより、お互いをわかり合っている選手同士にコミュニケーションを取ってもらうほうが便利なのかもしれない。

【次ページ】 長い時間をかけての移籍交渉は、時代と共に少なく。

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