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プレミア6強の“前半戦通信簿”。
チェルシーに次ぐ高評価はどこ? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2017/01/09 08:00

プレミア6強の“前半戦通信簿”。チェルシーに次ぐ高評価はどこ?<Number Web> photograph by AFLO

プレミア初参戦のグアルディオラと、2年目のクロップ。彼らに限らず6強の直接対決ではテクニカルエリアでの心理戦も見逃せない。

マンUは同じく「2」も年明けからムードが好転?

 グアルディオラと双璧を成す話題度で、ジョゼ・モウリーニョ新監督を迎えたマンチェスター・ユナイテッドの評価も「2」。万全な補強によって開幕3連勝を飾った時点では、早くもモウリーニョ軍団風の強さを身につけたかに思われた。

 だがシーズンが進むと、MFポール・ポグバの使い方を含めて手探り状態。10月にはリーグ戦勝ち星なし、そしてモウリーニョ監督の古巣チェルシー相手の大敗(0-4)という屈辱まで味わい、首位と13ポイント差の6位で前半戦を終えるはめになった。

 ただし、年明けのムードはシティよりも明るい。2日の第20節ウェストハム戦(2-0)でリーグ戦連勝は「6」に伸びた。故障者が重なった4バックで、フィル・ジョーンズとマルコス・ロホのCBコンビが機能するという不幸中の幸いもあった。中盤では先発機会が増え始めたマイケル・キャリックとアンデル・エレーラが守備面をケアしたことで、ポグバがダイナミックかつテクニカルに攻撃に絡む構成が見えてきた。

 前線でも、一時は「干されている」とも言われたヘンリク・ムヒタリアンが本領を発揮し始め、新1トップのズラタン・イブラヒモビッチがゴール枯渇期を抜けている。ユナイテッド戦から2日後に行なわれたトッテナム対チェルシーについて「休養十分だろうから素晴らしい一戦を期待する」と、嫌味と揺さぶり半々のモウリーニョ節も健在である。有力候補ではなくなったが、優勝争いのダークホースである。

攻守ともに噛み合ったチェルシーは最高の「5」。

 モウリーニョにプレッシャーをかけられる形となったチェルシーだが、国内各紙は一様に「A+」の最高評価を下している。

 その要素を箇条書きすると、持ち駒に最適のシステム、高速カウンター、無失点試合「11」の守備の安定感、第14節マンC戦での逆転勝ちが象徴する耐久力、攻撃の自由を得たエデン・アザールと、辛抱強く決定力を発揮するジエゴ・コスタら個の力。

 これらがすべて噛み合い、第7節からクラブ新記録となる13連勝で前半戦をターンするなど、強者の条件が揃う。3-4-3への基本システム変更を決断したアントニオ・コンテは、新監督として見事な仕事ぶり。筆者の評価も最高の「5」だ。

【次ページ】 懸念点は先発の固定化も、セスクがここに来て復調。

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