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“世界のレアル”とバロンドールの関係。
ペレス会長、ロナウドの受賞を語る。
posted2017/01/08 08:00
text by
フレデリック・エルメルFrederic Hermel
photograph by
JAVIER SORIANO/AFP
第1回となる今回は、レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長のスペシャルインタビューをお届けいたします!
ご存じのように、2016年の第61回バロンドールは、クリスティアーノ・ロナウドが4度目の受賞を果たした。ペレスが語っているように、レアルとバロンドールの関係はバロンドールの創設時にまで遡ることができる。同様にレアルと『レキップ』紙、『フランス・フットボール』誌の関係もそれ以上の歴史がある。
1955年に欧州チャンピオンズカップ(現在のUEFAチャンピオンズリーグ)を創設したのは、ガブリエル・アノ、ジャック・フェランをはじめとする『レキップ』紙の4人の記者たちであったが、彼らに全面協力したのが当時のレアル・マドリー会長だったサンティアゴ・ベルナベウだった。
ベルナベウとグスタボ・セベシュ(当時ハンガリー・スポーツ省副大臣で、史上最強といわれたハンガリー代表とホンべド・ブダペストの監督)のサポートなしには、チャンピオンズカップは日の目を見ることはなかった。実際、ベルナベウは、チャンピオンズカップ4連覇を果たした後の1959年に、『フランス・フットボール』誌に5回にわたり手記を連載している。それぐらいに両者の関係は親密だった。
バロンドールに関しても、第1回こそサー・スタンレー・マシューズ(ブラックプール、イングランド)が受賞したものの、2回から4回はアルフレッド・ディステファノとレイモン・コパのレアル勢が連続して獲得した。
「レアル・マドリーとバロンドールの間に横たわる60年以上にわたる相思相愛の歴史」とは、そうした歴史的な事実に由来している。
これまでレアルに所属する選手の受賞は6人で延べ9回。これはバルセロナの6人で延べ11回に次ぐ記録であり、過去にクラブに在籍した受賞者(後の受賞者を除く)の数ではバルセロナを上回る。
そうした事実を踏まえたうえで、インタビューに移ろう。
監修:田村修一
レアルとバロンドール、相思相愛の長い関係性。
――レアル・マドリーというクラブもですが、とりわけあなたはどうしてバロンドールに大きな愛着があるのですか?
「それはレアル・マドリーとバロンドールの関係が、とても長い相思相愛の歴史であるからだ。われわれのDNAの中にそれは組み込まれている。ご存知のようにバロンドールは、欧州チャンピオンズカップと時を同じくして創設された。第1回から同カップ5連覇をはたしたレアルは、サポーターたちの心――とりわけフランス人たちの心を掴んだ。バロンドールも同様で、1950年代からわれわれとともにあるわけだ」