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ラミレス監督、Number独占告白!
監督としての最初のミスと感動と。 

text by

日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/12/08 07:00

ラミレス監督、Number独占告白!監督としての最初のミスと感動と。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

シーズン中は、試合に関する10ページ以上になる各種資料を、毎日読み続けていたというラミレス監督。

コーチに、もっと意見を言ってくれるよう頼んだこと。

――先発陣は非常に安定していて、開幕から56試合連続で5イニング未満で降板することがありませんでした。そうした状況の中、何を継投の判断基準にしていたのですか。

「最も重視したのは球数だ。山口や井納、モスコーソといったベテランには100球前後、石田、今永(昇太)、砂田(毅樹)といった若手には60~100球。そのあたりの球数で投手コーチと相談して、疲れが見えてきたら次の投手を用意させた。

 ただ先発を酷使していたのも事実だったので、このままでは後半戦はもたないと感じて、これまでは7回まで投げさせていたところを6回までにしたり、負担の軽減を考え始めるようになった。

 そのころから、ゲーム前の投手コーチとのミーティングを2回に増やすようにした。それまでは、ぼくの考えを押し通すところもあったが、コーチの意見をもっと聞かせてもらうようにした結果、『どの打者にはどのリリーフをぶつける』といった青写真が描けるようになった」

――ミーティングを2回行うようになったのはいつのことですか?

「決めごとになったのは交流戦に入る前だったと思う。ただ5月に入ったころから、コーチとのコミュニケーションが密になった。5月3日のスワローズ戦の後に、池田社長、高田GMと話をして、もっとコーチとコミュニケーションを取るようにアドバイスされた。その翌日からコーチを呼んで、もっと意見を言ってほしいと伝えたんだ。そこからいい結果が出るようになっていった」

「その1点を取るためにどうすればいいのか?」

――一方で、打線は低調な状態がしばらく続いていました。

「梶谷なしでシーズンが始まり、期待していたロペスとロマックの結果が出ない。唯一、筒香(嘉智)だけが奮闘しているような状態だった。

 4月1日のタイガース戦では、能見(篤史)投手を打てる空気がまるで感じられず、試合にはサヨナラで勝ったものの、打てていない現状を象徴するようなゲームだった。4月の攻撃陣は、相手からすればまるで怖さがなかったはずだ。投手陣と野手陣が一枚岩になれていなかった」

――そうした状況をどのように打開しようとしたのですか?

「ゲーム前には3つのミーティングがあってぼくも参加している。投手、打者、それから光山(英和)バッテリーコーチとのミーティングだ。毎回行きつく答えは、序盤に先制しなければ勝てないということ。その1点を取るためにどうすればいいのか、どういう細かいことをやっていくべきなのかを話し合うことが多かった」

――まず1点を取る“スモールベースボール”を念頭に置いて、指揮を執っていたということですね。

「トライしていたが実際はできなかった。勝ちにつなげようとサインプレーを多くやったが、エンドランやバントの成功率は低かった。得点したとしても、投手がリードを保てない。それが繰り返された4月だった」

【次ページ】 「ぼくたちよりいいチームは2つしかない」

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