秋季キャンプではコーチとの連携をより強化した。

――秋季キャンプではどんなことに注力しましたか。

「“凡事徹底”を掲げて、バントシフト、特に走者一塁の場面で二塁に送球する練習を徹底した。

　イージーなゴロでも一塁に投げて簡単にアウトを1つ取りにいく傾向が強かったからだ。投手には内角・外角の割合を7対3にして投球練習をするように意識させた。外角一辺倒で勝負させているだけでは、彼らをそれ以上の選手にすることはできない。

　ただ秋季キャンプでは、選手たちを見るだけではなく、自分とコーチ陣とのコミュニケーションをどう取っていくかも考えながらやっていた。それぞれの意見をテーブルに出し合って、ぼくの考え方とどうマッチさせていくか。そういったことにも集中していた」

内角に投げること、バントシフト、ダブルスチール。

――春季キャンプで重点的に取り組んだこと。いろいろあるとは思いますが、3つ挙げるとすれば？

「1番のプライオリティはやはり、ピッチャーに7対3で内角に投げてもらうことだ。

　シーズンに入れば内角に投げ切れない投手が出てくることは予想していたが、内を攻めると言い続けることで他球団に対する意識づけになる。メディア戦略という狙いもあった。

　それから、秋季キャンプでやったバントシフトの継続とダブルスチールが2番目と3番目。ナンバーワンピッチャーから確実に点を取ること、序盤に点を取ることが勝ちにつながると考え、ランダウン（挟殺）プレーも含めてダブルスチールに注力した」

――やり残したことはありましたか。

「バントシフトについては時間が足りなかった。いざゲームの中でやろうとすると体が覚えていることもあって、悪送球を怖がったり、なかなかセカンドでアウトにできなかった。達成度は7割に満たなかったと思う」

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