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ラミレス監督、Number独占告白!
監督としての最初のミスと感動と。
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byHideki Sugiyama
posted2016/12/08 07:00
シーズン中は、試合に関する10ページ以上になる各種資料を、毎日読み続けていたというラミレス監督。
「ぼくが監督としておかした最初のミスだった」
――監督が石川選手に厚い信頼を寄せる理由は何ですか?
「まず守備力で見ればベストなチョイスだ。今シーズンはひじの影響や蓄積疲労もあったせいか、ダブルプレーがなかなかとれなかった。そこが問題だったとぼくは思っている。
2番打者としてはベストなバッターだと思う。アベレージは決して高くなかったが、バント、エンドラン、バスターエンドランなど、スモールベースボールを考えた時にこれ以上の選手はいない」
――開幕からの10試合、6勝4敗と目論みながら、現実は3勝7敗という厳しいスタートになりました。
「6勝4敗は厳しいとは思っていたが、選手のモチベーションを上げたかったし、5割でいくチャンスは十分にあると思っていた。山口と井納(翔一)で2勝するプランだったが、山口が(開幕直前の故障で)いなかったので、計算していた勝ちが1つ減ってしまった。
大きかったのは開幕3戦目の継投だったと思う。先発の石田(健大)を6回途中、まだリードを保っているところで降板させて、リリーフした長田(秀一郎)が4人の打者から1つのアウトも取れなかった(この回に追いつかれ、結果は逆転負け)。
あとになって気づいたことだが、これが、ぼくが監督としておかした最初のミスだったと思う。石田を続投させればよかったなと後悔した。そうすれば違う結果になって、開幕カードを2勝1敗で勝ち越してホームに戻ってこれたかもしれない」
「投手をいちばんよく分かっているのは投手コーチ」
――監督の仕事の中でも継投は特に難しい。
「難しさは特にシーズンの序盤、ひしひしと感じた。継投に移っていくシステムもよく理解できていなかったし、投手コーチとのコミュニケーションにも難があった。ぼくがこの投手を使いたいと思っても、そうじゃないという進言があることもあった。そこでぼくがもっときちんと耳を傾けていればよかったが、自分が正しいと思う継投に踏み切って、送りだした投手が結果を出せなかったりもした。
試合後の囲み取材で継投の理由を聞かれて、自分が正しいと思った継投で結果が出なかったことを説明するのも難しかった。いま振り返れば、投手のことをいちばんよく分かっているのは投手コーチであって、シーズンの序盤からもっとコーチの話に耳を傾けて継投を考えればよかったなと思う」