岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER
日本ラグビー、強化指針の過渡期。
スコットランド戦連敗をどう見るか。
posted2016/07/16 11:00
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6月25日のスコットランド戦では逆転負けしたが、25歳のスクラムハーフ茂野海人がトライを決めるなど新世代の成長を感じさせた。
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岩渕健輔Kensuke Iwabuchi
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AFLO
こんにちは。日本ラグビー協会、代表GMの岩渕健輔です。
前回のコラムではスーパーラグビーに参戦しているサンウルブズの1シーズン目について振り返りましたので、今回はラグビー日本代表の現状について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
まず日本代表は今年の1月にジェイミー・ジョセフが新ヘッドコーチに就任することを発表しました。さらに4月から5月にかけて行われたアジアラグビーチャンピオンシップでは、4戦全勝で優勝することができました。
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アジアラグビーチャンピオンシップに関しては、優勝して当然だという声もありましたが、一般的に考えられているほど楽な大会ではありません。現に昨年、RWCイングランド大会の前に行われた大会では、韓国に30点を奪われるなど苦戦した試合もありました。
しかし今年の大会では、2試合を戦った香港との2戦目でこそ2トライを奪われたものの(最終結果は57対17)、他の試合では1トライも許していません。
攻撃力アップと世代交代が現在の大きなテーマ。
若い選手を中心に構成したチームで、ここまで失点を抑えることができただけでなく、大量点を奪う試合が増えてきたのは非常に前向きな収穫でした。個の能力を高めて攻撃力を高める、そして世代交代を図っていくというのはラグビーワールドカップ(RWC)イングランド大会以降、日本代表が掲げてきたテーマの1つだったからです。
続いて現地時間6月11日には、バンクーバーでカナダ代表とテストマッチを行い、26対22で勝利しました。この試合には昨年のRWCイングランド大会に出場したメンバーが何人か加わっていましたし、日本代表は2007年からカナダに敗れていませんでした。
とはいえ、カナダも決して与し易い相手でなかったのは事実です。
そして迎えたのが6月18日、25日のスコットランド戦です。