セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
欧州のピッチ上は「暴言」だらけ?
あまりにひどいサッカー単語帳。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2016/02/10 10:30
ナポリのサッリ監督は、よく言えば兄貴肌、悪く言えば柄の悪いパーソナリティ。発言にはくれぐれもご注意を。
欧州サッカーの現場は、罵りと怒号にあふれている。
差別表現をなくそうとした政治家と同じ姓を持つインテルの指揮官マンチーニは、サッリとの一件で結局、自身も罰金5000ユーロを払う羽目になった。
サッリに罵られた際、「とっととセリエCへ戻りやがれ、この老いぼれが!」と暴言を吐いたからだ。
さらに、15年前のフィオレンティーナ監督時代に、気にくわない記事を書いた記者を呼び出した挙句「腑抜けのゲイ」と恫喝したことが暴露されると、マンチーニは急速にサッリ批判の矛を収めたのだった。
田舎クラブの現実しか知らなかったサッリは、煌びやかなスポットライト浴びる場で使う言葉は“自分のボキャブラリーと少々ちがうらしい”と一連の騒動を通じて理解し、経験を重ねたはずだ。
欧州サッカーの現場は上から下まで、敵も味方もなく、罵りと怒号にあふれている。
物騒で、荒っぽくて、がさつだ。そこで生き残り、何か形あるものを勝ち取ろうとするなら、発言には気をつけなければならない。
ナポリは26年ぶりのスクデットに向けて、連勝街道を突き進んでいる。
少なくとも、カメラの前であの言葉を再び口にする愚行を指揮官は犯さないだろう。