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内田篤人、ピッチまでの最終段階。
復帰時期、そしてまさかの移籍は?
posted2016/02/08 10:30
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
AFLO
内田篤人が練習に復帰したと情報が流れたのは1月17日だった。
地元紙の一つ『ルールナハリヒテン』が、紅白戦以外のほとんどのメニューを内田がこなしたと報じたのだ。年明けから行われていたフロリダキャンプでは別メニューだったが、帰国後から全体合流したとも書かれていた。
それから4日後の21日、クラブは公式に内田の練習合流を発表した。数種ある公式ソーシャルメディアでは、ミニゲームか何かで内田がボールをさらうシーンに、スローモーションまでかけた動画が掲載され、ドイツ語の素敵な短文が添えられていた。
「彼の試練は終わった。我々の22番が戻ってきた」
併せて紹介されていたのは、'95年生まれの若きエース候補レオン・ゴレツカのコメントだった。
「彼の笑顔が見られて嬉しい。厳しい時間を過ごしてきたから。言葉の壁もあって話をすることだって難しかったから余計に大変だっただろう」
そう、内田を思いやっていた。
明るい表情の写真が少ないのが気になる。
公式の発表とあって、これにキッカー誌なども追随する。冬のマーケットでは大きな動きはなかったものの、後半戦を迎えるシャルケにとってポジティブな材料との見方が強く、間もなく試合に復帰するものと思われた。
だが、2月に入っても内田はなお主力とは別のメニューを行う日もあり、まだ完全合流とはいかないのが現実だ。公式サイトやSNSにあがる内田情報をつぶさに見ていくと、決して手放しで喜べる状況ではなさそうだ。
何より、内田が明るい表情をしている写真が少ないのだ。もちろん、1月のフロリダキャンプ中、ディズニーワールドでイベントに参加している最中などは楽しげに映っている。ドイツに戻った直後にファンイベントを行うなど、表舞台に登場してもいる。だが、練習レポートなどを見る限り、うつむき気味に走る姿が連続して登場する。ボール扱いも決して安定しているようには見えず、まだまだ試合に復帰するのには時間がかかりそうだ。