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J3へのセカンドチーム参戦を考える。
育成ルート多様化と、ベテラン問題。

posted2015/12/30 11:30

 
J3へのセカンドチーム参戦を考える。育成ルート多様化と、ベテラン問題。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

U-22選抜はJ3で13クラブ中12位に沈んだ。低迷が続く若年世代の育成へ向け、試行錯誤は続く。

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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 セカンドチームの指揮を任された新人監督が1年後、トップチームの指揮官に抜擢され、セカンドチームでその新人監督に1年間みっちり鍛えられた若者たちが翌シーズン、新監督の“秘蔵っ子”としてトップデビューを果たし、チームを新時代へと導いていく――。

 新人監督はジョゼップ・グアルディオラ、秘蔵っ子はセルヒオ・ブスケッツやペドロ・ロドリゲス。これは2008-09シーズンのバルセロナで起きた出来事だったが、それに近いことがJリーグでも実現するかもしれない。

 FC東京、ガンバ大阪、セレッソ大阪の「U-23チーム」が来シーズンのJ3に参加することが、12月15日のJリーグ理事会で承認された。

 この新しい試みは、23歳以下の選手の試合出場機会を増やし、将来有望な選手の強化・育成に寄与することが目的だ。

 10代後半から20代前半の選手が公式戦になかなか出場できないという問題は、Jリーグ創設期から続く恒久的な課題である。さらに近年アジアのライバルが続々と育成に力を注ぐようになり、なかでも中国、中東、東南アジアの若手の成長は目覚しい。日本が4大会連続してU-20ワールドカップを逃したこともあり、育成面の改革が急務とされていた。

U-22選抜のJ3参加のきっかけはロンドン五輪。

 日本サッカー協会とJリーグはこれまでも、いくつかの施策を打っている。「ベストメンバー規定の緩和」、「育成型期限付き移籍制度の導入」、「Jリーグ・アンダー22選抜のJ3リーグへの参加」がそれだ。

 とりわけ'14年、'15年に試されたJリーグ・U-22選抜のJ3参加は、J1、J2でベンチに入れない22歳以下の選手を試合2日前に招集し、即席チームを結成してJ3に臨むという、世界でも類を見ないトライだった。('15シーズン限りでの終了が決定)

 この試みのきっかけは、'12年のロンドン五輪に向けた選手選考の難しさにあった、と導入当時、日本サッカー協会の霜田正浩技術委員(現技術委員長)は明かしていた。

「ロンドン五輪のとき、関塚(隆)監督が試合を見に行っても、該当する年代の選手が出場していないことが多かった。それで翌日、各チームの練習試合を見に行くんだけど、大学生との練習試合では強度も低ければ、クオリティも低く、選考の参考にならないことがあった。そこで考えたのが、五輪代表に選ばれる選手の分母を増やすということ。分母とは公式戦に出ている選手の数。J1でもJ2でも、それが難しければ、選抜チームを作ってJ3でもいいから、毎週末どこかで必ず公式戦に出ているという環境を作りたかった」

【次ページ】 2016年からは、下部チームのJ3参戦が開始。

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